ベンザインとオレフィンの[2+2]環付加反応に関する研究
Project/Area Number |
07640730
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鈴木 啓介 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90162940)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | ベンザイン / オレフィン / 環付加 / [2+2] / ケテンシリルアセタール / ベンゾシクロブテン |
Research Abstract |
高反応性化学種であるベンザインは異例に低いLUMOを有するため、基底状態でオレフィンとの[2+2]環付加反応を起こす点に大きな特徴がある。しかし、この反応は、従来精密合成化学にはほとんど利用されてこなかった。これは、おそらく、従来、十分効率的なベンザインの発生法がなかったこと、さらには、パートナーとなるオレフィンの選択が適切でなかったことに起因するものであるものと考えられる。 一方、先に我々はo-ハロアリール=トリフラートの還元的脱離を利用すれば、低温で速やかにベンザイン種を定量的に発生できることを見出した。本研究では、ベンザインと電子豊富オレフィンとの[2+2]の環付加反応に焦点をあて、その実行可能性、位置選択性について検討を加えた。その結果、オレフィン成分としてケテンシリルアセタールが特に優れた反応性を示し、低温下速やかに収率よく環付加物を与えることを見出した。また、αアルコキシベンザイとの反応は位置選択性良く、head-to-head型の環付加物のみが得られることが分った。こうして得られる各種環付加物を加水分解し、合成的に様々な有用性が期待される種々のベンゾシクロブテノン誘導体が高収率で得られることを明らかにした。この成果は、生理活性物質の合成と関連して、その選択的合成法の開発への期待が高まっている芳香族関連化合物に大きな寄与をするものと考えられるので、今後その点について検討を加えて行きたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)