Project/Area Number |
07640745
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
吉岡 濶江 静岡大学, 理学部, 助教授 (80021955)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | DNA鎖切断 / 茶カテキン / エピガロカテキンガレート / 活性酸素 / 防御効果 / 鉄(II)クエン酸錯体 / トリチウム水 / ^<60>Coγ線 |
Research Abstract |
【得られた新たな知見】 茶カテキンが、何故、放射線によるDNA損傷を防御するのか、その機構について調べた。その結果、^<60>Coγ線およびトリチウム水中でのβ線照射等によって誘発されたDNA鎖切断の主な因子はヒドロキシルラジカル(・OH)によるものであり、茶カテキンによる防御効果は、そのラジカルを消去しているためであることを、固相スピンとラッピング法を用いたESR測定により確認出来た。また、茶カテキン(EGCg)がDNAの塩基対間にインターカレートしている現象を見いだした。そしてDNA近傍にあるEGCgが放射線によるDNA損傷を防御することもわかった。さらに、一本鎖DNA鎖切断に対するG値(1×10^<-4>mol/l)をも算出した。 他方、遷移金属(鉄(II)クエン酸)錯体によによるDNA損傷機構および、それに対する茶カテキンの影響について詳細に調べた。DNA損傷機構をスーパーオキシドアニオンラジカル、過酸化水素、・OHの消去剤である、SOD、カタラーゼ、メタノール等の試薬を用いて活性酸素消去能を調べた。その結果、鉄(II)クエン酸錯体によるDNA鎖切断過程において、フェントン反応が発生し、その反応から生成される・OHがDNA鎖切断を誘発するのではないかと考察した。そして切断の過程において、電子移動が必要であり、溶存酸素がこれに深く関与していることを明らかにした。しかしESR測定結果からは・OHを検出することが出来なかった。その理由として、ESRの検出感度はDNAのような高い検出感度をもっていないためと考えられる。さらに、茶カテキンの影響について調べた。その結果、茶カテキンは鉄(II)クエン酸錯体化学種の溶存形により損傷及び防御作用としての2面性をもっていることがわ解った。現在その機構を検討中である。
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