Project/Area Number |
07640754
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
田嶋 邦彦 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (50163457)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | 金属酵素 / 環状クラウン / Cu(II)錯体 / X線解析 / 分光学 |
Research Abstract |
金属酵素-補酵素-基質-酸素の多元系で繰り広げられる、基質分子の酸素添加反応をモデル系で再現するために、環状アザクラウン(トリアザシクロナン;tacn)にベンジル(Btacn)あるいはフェネチル(Ptacn)基を導入した配位子の合成を試みた。tacnのオルトアミド体を経由して、これらのtacn-置換誘導体を合成する経路を確立した。BtacnおよびPtacnの銅錯体についてX線単結晶解析を行い、ペンダント置換基を導入した窒素が軸配位した四角錐型の配位構造を明らかにした。ESRおよび光吸収スペクトルに解析から、溶液中でも同様の配位構造を取ることを証明した。また、アピカル位のハロゲン陰イオンと溶媒分子の配位子交換平衡にあることを、溶液状態のスペクトル解析によって議論した。さらに、Btacn銅錯体の平面位にフェナントロリン(Ph)配位した三元錯体の単結晶解析を行い、この場合BzとPhの芳香環に分子内π-π相互作用の存在を見いだした。この三元錯体は金属酵素-補酵素-基質の三元系錯体のモデルとして位置づけられる。また、Btacn銅錯体は金属酵素の補酵素であるプテリンとも同様の三元錯体を溶液中で形成することをESR測定によって明らかにした。この三元錯体について芳香環の水酸化反応の可能性について検討している。 本研究補助金によって、題目に掲げた新規配位子の合成と、銅錯体の結晶構造ならびに配位子交換反応等について、金属酵素の反応機構解析に必要な基礎的知見が蓄積された。
|