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¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
π-π相互作用を明確に有しその機能を十分も発揮できる個性的な高速液体クロマト(HPLC)用シリカゲル充填剤は意外なことに,これまでごく僅しか知られておらず,また評価も未だに不十分である.そこで分離モードとして典型的なπ-π相互作用が期待できるシリカゲル充填剤を開発し,π電子系を含む水溶性生理活性物質(例えば核酸関連物質)や医薬品(覚醒剤や治療薬およびそれらの代謝物質等)の実用分析への応用を図った.現在までに得られた結果を以下に記す. 1)アミノプロピルシリルシリカゲル(APS)のナフタルイミド化物HPLC用充填剤カラム(NAIP,当研究者により既に開発済み)の普遍的な調製法の確立を目指し所期の目的を果たした. 2)NAIPを用いて,プリン誘導体類(キサンチン,ヒポキサンチン,尿酸,テオブロミン,テオフカフェインおよびカフェイン等)或いはバルビツール酸類(8種類)中の各成分を明確に相互分離し定量する手法を確立することを試み,成功した.ついでカフェインに焦点を絞り,市販飲料や医薬品中の定量分析に適用した.さらにヒト血漿中の同物質とその代謝物の定量へも応用した. 3)臨床分析の分野で重要なエピネフリンやノルエフェドリンを光学活性誘導体試薬処理により生じるジアステレオマ-として後,分離・定量することをNAIPカラムを用いて計画し,実現した 4)NAIPの分離モードが,果たしてπ-π相互作用よるのかどうかの検証を行った.試料として一連の多環芳香族系列化合物を,移動相としてMeCN-水系を用いて,NAIPカラムによる分離挙動をAPSカラムによるそれと比較検討した.その結果,NAIPカラムが明らかにπ-π相互作用による分離モードを示していることが明確となった. 5)よりπ-π相互作用を強化するべくNAIP型を中心に新しい充填剤の開発を現在進めている.
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