Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
本研究で用いたキラル識別剤はイオン性置換基を持つシクロデキストリン(CD)誘導体およびタンパク質である。他種のキラル識別剤の利用も試みたが,上記2種が優れていたので報告する。 イオン性CD誘導体としては,カルボキシル基,リン酸基またはスルホブチル基を持つβ-CDおよびカルボキシル基またはリン酸基を持つγ-CDを用いた。未修飾CDやメチル化CDと比べると,本研究で用いたアニオン性CD誘導体は,中性およびイオン性両方の光学異性体の分離が可能であることが大きな特色である。中性の光学異性体試料としては,ベンジル,マンデル酸エステル,PTH-アミノ酸,フェニルエチルアルコールなどのラセミ体の分離が可能であった。分離条件としては,中性付近のpHでCD誘導体濃度10mM程度を用いた。一方,塩基性光学異性体の分離では,中性CD誘導体と比べると低濃度で光学異性体の分離ができることが判明した。試料として用いた塩基性医薬品40種以上の光学異性体が分離できた。条件としては,電気浸透流の抑制と試料の吸着を防止するために,内面にポリアクリルアミド修飾したキャピラリーを用い,pH5付近でCD誘導体濃度は5mM以下で十分であった。光学異性体の分離に関してはβ-CD誘導体とγ-CD誘導体との間に大差はなく,後者の方が結合定数が小さい傾向にあった。 キラル識別用タンパク質としては,酸性糖タンパク質であるα_1-AGPを用いた。このタンパク質塩基性光学異性体の分離に優れた結果を示した。上記CD誘導体を用いた分離とはやや分離選択性が異なるが40種以上のラセミ体の分離ができた。キャピラリーにはポリアクリルアミド修飾したものを用い,pH5〜6で分離を行った。タンパク質による検出の妨害を除くために部分充填法を採用した。
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