Project/Area Number |
07640835
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生態
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
生嶋 功 千葉大学, 理学部, 教授 (20009046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土谷 岳令 千葉大学, 理学部, 助手 (20227432)
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Project Period (FY) |
1995 – 1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 海草 / 干出 / 潮間帯 / 漸深帯 / 現存量 / 個体群動態 / ストレス |
Research Abstract |
潮間帯の平磯上のスガモ個体群は直達日射の暴露や乾燥や温度差などのストレスを受ける。最適生育期間は、3月から4月の大潮直前であり、このとき地上部最大現存量は1750g乾重m^<-2>に達した。夏期の日中の干出は特に葉群を大幅に減少させ、いっぽう冬季の夜間の干出による被害は夏よりも小さかった。スガモ個葉は他の潮間帯乾藻にみられるような干出に対する特別な生理的耐性をもたない。しかし、潮間帯スガモの高密な葉群は干出時に重なりあって倒れるため干出による被害は花株や幼令葉および茎頂などの再生産器官には及ばず、年間を通じて個体群密度には変動はみられなかった。さらに、干出中でも波がかりがあればストレスが緩和されることを確認した。 漸深帯に生育するスガモは干出しないにもかかわらず、個体群は粗な塊状分布をとり、現存量は潮間帯と同程度であった。漸深帯では水が濁り光不足であること、それに対応して速く伸びて長命な、長い葉を持つが、それらは潮汐流によって容易に脱落した。 したがってスガモにとって生理的に最適な生息地は十分な受光量が得られ、かつ波浪や波がかりがある潮間帯下部の潮通しや割れ目であると推測された。潮間帯の平磯はスガモ個葉にとっては生理的に不適、個体群にとっても好適とはいえないが、他の大型海藻が生育しにくい立地を確保し、結果的にそこに発達した藻場を形成していた。スガモの個体や高密な個体群の構造上の特徴が、個葉の生理的限界をこえる潮間帯から漸深帯までの広い範囲に分布することを可能にしていることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
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