微細藻類におけるタンパク質分子の免疫電顕法による追跡
Project/Area Number |
07640886
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物形態・構造
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
長舩 哲斉 日本体育大学, 体育学部, 教授 (70074630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 修次 東京医科大学, 医学部, 助手 (70147213)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | ユ-グレナ細胞 / RuBisCO小亜粒子 / LHC II / 免疫電顕法 / リンコマイシン / ゴルジ装置 |
Research Abstract |
光合成生物は光化学反応に必要なエネルギーを集めるアンテナ色素と呼ばれるタンパク質複合体をもっている。1990年、われわれは免疫電顕法により、同調培養ユ-グレナのLHC IIタンパク質分子の動態を追跡した。LHC IIはcell cycleの初期にゴルジ装置を経由し、葉緑体へ輸送される経路を発見した。その後、Schwarztbackらのグループは放射性同位元素をもちいて、ユ-グレナのLHC IIタンパク質の輸送経路を調べゴルジ装置を通過することを確認した(J. Biol. Chem. 270: 13084,1995)。 本研究はユ-グレナを同調培養しcell cycleにおける各ステージの細胞を経時的に採取し、急速凍結置換固定-連続切片法-免疫電子顕微鏡法およびタンパク質阻害剤実験により、LHC II、 RuBisCO両タンパク質の輸送経路を追跡した。その結果、LHC IIはcell cycle中すべてのステージでチラコイド膜上に認められた。一方、ゴルジ装置への局在はcell cycle初期〜中期に限って観察された。即ち、急速凍結置換固定法による観察でも光照射直後の細胞ではゴルジ装置への局在性は見られず8-9時間細胞には約95%に達した。同時にCell cycleの運行に伴うLHC IIの細胞内三次元分布をコンピュータ・グラフィックス画像解析により初めて明らかにした。次にリンコマイシン等の70Sタンパク質合成阻害剤実験により、新しく合成されたLHC IIは葉緑体包膜を通過する。しかし、LHC IIのチラコイド膜への配置には葉緑体内部で合成されたタンパク質の介添が必要であることを明らかにした。また、ユ-グレナの細胞核支配であるRuBisCO小亜粒子はLHC IIと同様に、ゴルジ装置を経由し葉緑体に輸送される現象を急速凍結置換固定法によって明らかにした。さらに、RuBisCO小亜粒子とLHC IIの細胞質内における貯留場所をみいだし、COS構造と名付けた。ユ-グレナ細胞における2つの異なるタンパク質分子がゴルジ装置を経由する事実から、ゴルジ装置通過は少なくともユ-ゴレナ細胞核支配タンパク質の輸送にみられる普遍的な経由とおもわれる。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)