Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
ポリマーアロイは種々の高分子種をブレンドした多成分系の高分子材料であり,異なった性質を持った高分子種を効果的に組み合わせることで,多様な目的に合致した機能が実現されている.とくに,構造用ポリマーアロイにおいては微細ゴム粒子を脆性プラスチックの中に分散させることで耐衝撃性の改善が計られている.しかしながら,その靱性強化のメカニズムについては未解明の点が多く残されている.代表的なポリマーアロイについて衝撃破壊試験を実施し,力学的解析と材料分析の手法を併用することで,これらの問題の解決を試みた. 本研究では,構造用ポリマーアロイの中から,2成分系のゴム強化樹脂であるABS樹脂および3成分系のPC/ABS複合樹脂を供試材として選択し,それらの母材であるAS樹脂,PS樹脂を含めて,以下の通りに研究を行った. (1)引張試験片および破壊靱性試験片を作成した後,恒温恒湿槽内に一定期間保持し,材料入手までの履歴ならびに加工の影響を除去した.(2)供試材の応力-ひずみ関係を種々の負荷速度で測定するとともに供試材の静的破壊靱性値を測定した.(3)動的応力拡大係数の評価手法およびき裂進展開始時刻の計測法など,動力学解析に基づいて,衝撃破壊靱性試験法について検討を行った.(4)上項の結果に基づき,供試材の衝撃破壊靱性試験を行う.(5)試験片をビデオマイクロスコープにより破面全体を観察し,必要部については走査型電子顕微鏡により詳細観察する.(5)靱性強化機構について,実験結果に基づき有限要素解析を行った.以上の結果を総合し靱性強化のメカニズムについて考察するとともに効果的な材料開発手法ならびに適切な材料利用技術について検討した.
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