Project/Area Number |
07650177
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
設計工学・機械要素・トライボロジー
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大前 伸夫 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029345)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
|
Keywords | 原子状酸素 / トライボロジー / 低地球軌道 / 固体潤滑剤 |
Research Abstract |
平成5〜6年度貴科学研究費試験研究(B)のご援助で完成させた原子状酸素発生装置/トライボメータ/オージェ電子分光装置(AOx/TR/AES)におけるレーザーブレークダウン用ミニYAGレーザー(最大出力25mJ、繰り返し数0.2Hz)を200mJ/パルス、2HzのYAGレーザー(日本レーザー、レーザーフォトニクスYGL-102)に変更し、AOxのフラックスを7×10^<12>atoms/cm^2・s(ノズル下方32cmの位置)に引き上げることができた。このフラックスは宇宙ステーションALPHAの建設予定高度500kmでのAOxのフラックスと等しい。ノズル下方10cmの位置では10^<14>atoms/cm^2・sのフラックスが得られるので、本研究の当初の目的としていた長期暴露のための加速試験を実現することができた。低地球軌道上における中長期暴露期間として、1、3、6ケ月に相当するAOx暴露実験を層状固体潤滑剤として頻繁に使用される二硫化モリブデン(MoS_2)、グラファイト、ペロブスカイト及び酸化鉛に対して行い、これらの表面状態をそのままオージェ電子分光装置にて測定した。表面の酸化反応を正確に把握するためには、本装置のような大気中を搬送しないin-situシステムが有用であることを再確認した。いずれの被照射表面ともに酸素の存在比が急増し、ストイキオメトリックな組成は完全に破壊されたが、この傾向はAOxのエネルギーよりもフル-エンスによって著しく影響されることが判明した。したがって、フル-エンスが増大する中長期暴露後のトライボロジーは極めて過酷な条件となる。暴露後には高摩擦を示すとともに、MOS_2、PbOは全く有効性を失い、ペブロスカイトも著しい剥離が生じた。グラファイトではインターカレーションによる効果らしきものが認められたので、これを検討するため現在1年に相当する暴露実験を継続中である。
|