Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Research Abstract |
本研究は,乳化燃料の液滴燃焼時に発生するミクロ爆発現象を,数値解析手法を用いて検討したものである。当初の計画通り,1.水分凝集過程のモデル化,2.ミクロ爆発発生のモンテカルロシミュレーション,3.ミクロ爆発過程の数値シミュレーションの3段階によって遂行した。計算は,含水率を20%とし,燃料成分をドデカンおよびヘキサデカンとした水中油滴型乳化燃料について行った。各段階の概略と主な結果は以下の通りである。 1.液滴燃焼時における液滴内部の温度場を,液滴直径の変化を加味した境界条件を与えて,非定常熱伝導問題として差分法により求めた。温度-水分凝集についての実験結果を計算過程に組み込み,液滴内の水分量分布の変化を求めることによって,液滴内における水分凝集過程を数値実験において再現できるモデルを確立した。 2.液滴の内部に微小要素を想定し,各要素に対して,実験式に基づく温度場および水分体積を考慮した核生成率と,要素の発泡し易さのばらつきをワイブル乱数を用いて与え,液滴燃焼の進行に伴う初気泡核発生を調べた。その結果,実験結果に見られるミクロ爆発発生までの待ち時間の確率的様相は本手法によって検討が可能であること,および気泡核は液滴内部の広い範囲で発生していることなどを示した。 3.液滴のミクロ爆発過程を,MAC法を用いるととも,上記の検討によって得た,初気泡核の発生位置および温度場,水分量を加味した蒸気泡の成長条件を用いて,数値実験によって調べた。その結果,従来より観察されていたミクロ爆発現象,蒸気の吹出し現象に対応した計算結果が得られ,これらの現象が生起するための,気泡核の発生位置および蒸気泡の成長条件などを明らかにした。 以上の結果は,国内または国際学会で発表の後,機械学会論文集などにおいて公表の予定である。
|