Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
本磁気車輪は,円形状に配置した永久磁石を導体板上で回転させて,反発型浮上力と推力を同時に発生させる電磁機器である。極数やポールピッチ,また回転方向磁束密度の空間分布が異なる5種類の永久磁石回転体を用いて,ペイロード,すなわち永久磁石の自重に対する浮上力について調べた結果,次のようなことが明らかになった。 1.永久磁石回転体を導体板と平行に回転させて,浮上力発生装置として用いる場合,回転方向磁束密度分布の空間高調波成分は,反発浮上力にほとんど貢献しない。 磁気車輪の場合は元来,浮上のための電力消費を少なくするために,磁束密度分布の空間基本波成分も,無効電力成分に貢献するような構造で使用している。したがって,空間高調波成分の調整による無効電力成分の変化の割合が小さいと考えられる。 2.傾斜式磁気車輪の浮上力ペイロードは平行回転時の特性とほぼ同様で,磁束密度分布の空間高調波成分,極数,ポールピッチの影響は小さく,ほぼ永久磁石体積だけに依存する。これまでの実験の範囲においては,浮上力は永久磁石体積のほぼ1.54乗に比例している。これは,通常の電磁機器において相似・比例増加させた場合,温度上昇を無視するとトルクや出力は体積の4/3=1.33乗に比例するが,本磁気車輪の場合はそれ以上の増加率となる。 3.偏い式磁気車輪においては極数が2極よりも4極の方が高ペイロード値が得られた。この方式では,永久磁石回転体領域を部分的に導体板と重ならせるが,重なり部分で有効に作用する磁束を低下させないために,適当に極数が多い方が有利になると考えられる。 現段階では,磁気車輪の高性能化のための明確な方向は得られず,磁気車輪システム全体を考慮してさらに検討する必要がある。
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