Project/Area Number |
07650418
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
情報通信工学
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
河野 隆二 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (90170208)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | スペクトル拡散通信 / マルチメディア通信 / アクセス制御 / CDMA / 適応信号処理 / ディジタルフィルタ / アレーアンテナ / 干渉除去 |
Research Abstract |
移動通信や無線LANなどの分野で、国内外の研究機関が行っているスペクトル拡散通信システムの構成法、制御法、解析法などに関する研究動向を調査した。次に、無線マルチメディア通信の実用化が期待される応用分野で解決すべき問題を調査し、理論的な問題整理、その対策技術を検討した。具体的には、 (1)マルチメディア通信品質の評価基準の導出:伝送速度、信号相関特性、プライオリティなど異なる各種情報メディアに共通な通信品質の評価基準を導出した。 (2)無線マルチメディア通信チャネルのモデル化:占有帯域、バケット長、発呼率などの異なるマルチメディア信号が混在する無線通信チャネルのモデル化を行った。 (3)無線通信チャネルにおける干渉・妨害、雑音、フェージングなどの定式化:無線通信チャネルに共存する各種の干渉・妨害、雑音などのシステム外からの影響と、スペクトル拡散通信システム内の他局からの干渉の影響を理論的に定式化した。 (4)アクセス制御や有線通信網との整合性を検討するためのトラヒック解析:CDMA無線系とTDMA有線系を組み合わせたアクセス制御の最適化を行うためのトラヒック解析を行った。 (5)メディアに応じた処理利得や送信電力の制御法の考察:無線マルチメディア通信チャネルにおけるトラヒックの適応的な測定法と考案し、これを用いてマルチメディア通信品質基準を最適化する処理利得と送信電力の適応制御法を考案した。 (6)干渉やフェージングを除去・抑圧するためのディジタルフィルタとアレーアンテナによる時間・空間領域の適応信号処理方式の考案と理論解析:メディアに応じて受ける影響が異なる干渉やフェージングに対して、ディジタルフィルタとアレーアンテナを統合的に利用して適応的に処理する方式を考案し、理論解析した。 (7)CDMAシステム内で生じる他局間干渉を低減するための拡散符号の構成法と時間・空間領域における干渉除去方式の考案と性能解析:スペクトル拡散通信方式によるCDMAシステム内の他局からの干渉を低減し、周波数利用効率を向上するための拡散符号の構成法と、信号処理による適応的な干渉除去方式を検討した。 (8)適応信号処理方式と誤り訂正符号により誤り制御方式との組合せの考案:(6)(7)の適応信号処理における更新アルゴリズムの高速化・高信頼化と、軟判定復号性能の向上のための誤り制御方式との組合せを検討した。 (9)CDMAを組み合わせたアクセス制御方式の考案と性能解析:スペクトル拡散通信方式によるCDMAと、LANで一般に用いられるCSMA/CDなどを組合せたアクセス制御方式を考案し、マルチメディア環境下で性能解析を行なった。 (10)有線通信網との整合性を実現するインターフェイスとプロトコルの体系化:無線通信網に固有な物理レイヤにおける処理遅延などの特性を考慮し、有線通信網とのトランスペアレンシを確保するネットワークアーキテクチャを検討した。 (11)実験的解析:コンピュータ、スペクトル拡散無線LANのハードウェアシステムを用いて、等価的にスペクトル拡散無線マルチメディア通信システムを構成し、理論的に導出された各種の提案方式の性能を定量的に評価、解析した。 (12)総合評価と研究発表:上記(1)〜(12)に基づき、各種提案方式の特長と問題点を明確にし、以後の研究課題として整理した。また、本研究を通じて得られた成果をまとめ、学会において報告した。
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