外界気象の確率的な変動を考慮した蓄熱槽の最適運転と容量決定法に関する研究
Project/Area Number |
07650688
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Architectural environment/equipment
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鉾井 修一 京都大学, 工学部, 教授 (80111938)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 蓄熱槽 / 天気予報 / 確率過程モデル / -確率的最適制御 / 制約条件 / 蓄熱槽容量 |
Research Abstract |
蓄熱槽に最適設計は、最適な装置容量の設計と最適運転法の大きく2つの問題に分けられるが、両者は不可分であり、これらには数日先までの負荷予測が決定的な影響を及ぼす。外界気象や内部負荷は、決定論的な変動に加えランダムに変動する。従って、蓄熱槽の適切な設計・運転には、これらのランダム性を考慮した負荷予測が必要となる。本研究では、そのような観点より検討を行ない、以下の結果を得た。 1.外界気象条件についての整理 蓄熱槽の負荷予測の立場から、外界気象要素、主として外気温の確率性状の整理を行なった。蓄熱槽運転のように近未来の予測が重要な場合には、それに適した気象データの確率過程モデルが望ましい。ここでは、気象庁より公表されている次の日の天気、最高・最低気温の予報値を利用して、負荷予測に適切な確率過程モデルの作成を試みた。夏期、大阪のデータについての整理を行い、予報値と実績値との差が必ずしも小さくないこと、両者の差を新たなる時系列と見なすことの可能性を明らかにした。 2.蓄熱槽の確率的最適制御法と容量決定のための解析法の開発 外界気象がランダムに変動する場合の室温・室負荷・蓄熱槽温度の変化・装置負荷の性状を記述する解析モデルを作成した。蓄熱槽の場合には、熱源容量が有限、熱源から室への一方向のみの熱流などの制約が加わり、従来の最適制御理論では取扱いが非常に困難となる。従って、本研究では装置容量などの決定論的な制約をある確率で満足するという緩和された制約条件に置換えることにより、通常の確率的最適制御理論では困難であった問題を、解法が容易な決定論的最適化問題とした。不等式制約条件は、ペナルティ関数を評価関数に加えることにより考慮し、Newton-Raphson法を用いて、評価関数を最小とする最適解を求めた。この定式化の数値解法を示すとともに、簡易な系を対象として最適制御解を求め、解法の有効性を示した。 3.シミュレーションによる解析法の検討 2.で得られた室・熱源・蓄熱槽モデルに外界気象モデルを組み込み、確率的に変動する外乱が作用した場合の、蓄熱槽の最適制御運転を行なった。制御法および外界気象の確率的変動が結果に与える影響を明らかにし、蓄熱運転の特性を解析した。これにより、最適負荷予測・最適運転を行なう場合の必要装置容量を求めることが可能となった。
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Report
(1 results)
Research Products
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