Project/Area Number |
07650798
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Composite materials/Physical properties
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
田中 皓 滋賀県立大学, 工学部, 助教授 (50026225)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ピッチ / メソフェーズ / 化学構造 / 分子凝集 / 超音波 / メソカーボンマイクロビーズ |
Research Abstract |
1.ピッチの分子組成や相状態を把握・制御する方法を確立することを目的として、高温測定用超音波測定装置を設計・作製し、性能を調査した。 2.以下の3種のピッチを、主として、測定に供した。石炭の乾留によって得られるコールタールから不純物を除去し、さらにキノリン不溶成分(QI)を除去したもの(ピッチA)、ピッチAを水素化したもの(ピッチB)、ピッチBを原料として工業的に製造された異方性紡糸用ピッチ(ピッチC)である。さらに、ピッチCについてはベンゼンにより溶剤分離し、ベンゼン可溶分(BS成分)とベンゼン不溶分(BI成分)に分別した。これらのピッチについて、超音波減衰係数の温度依存性、熱処理時間に伴う超音波減衰係数の変化を調べた。今までに得られた結果を概述すると以下のようになる。 1)ピッチCは、特徴的な減衰係数の温度依存性を示すことが分った。即ち、低温領域にピークは出現せず,高温(380℃)にメソフェーズに由来すると思われるシャープなピークが現れる。低温領域のピークは、架橋構造などによって連結されたサブユニットの運動によるものと考えられ、等方性ピッチに特徴的に現れる。このように、ピッチCには架橋構造が少なく、芳香環の発達した構造が優位であることが超音波測定によって示唆される。この点は、^<13>C-NMRおよびESRの検討結果とも一致する。 2)ピッチBを、加熱ステージを備えた反射偏光顕微鏡上で400℃で加熱しながら観察すると、初め、光学異方性体が出現し、時間の経過とともに、光学異方性体は球体に成長、さらには、球体の凝集が起こることが分った。この変化が超音波特性にどのように影響するのかについて、現在、検討中である。また、MCMBのサイズ・形状と超音波特性との関連についても、今後、継続して検討する計画である。
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