Project/Area Number |
07650884
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
化学工学一般
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松本 繁 東北大学, 工学部, 教授 (00005456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 雅俊 東北大学, 工学部, 講師 (30230759)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | ニューラルネットワーク / 触媒反応プロセス / 最適化制御 |
Research Abstract |
(1)充填層反応器のニューラルネットモデルの作成:ラジアルフロー型断熱触媒充填層反応器による軽質ナフサの改質反応を対象として、ダイナミックモデルを作成し、シミュレーションを行なった。本反応は、原料が多成分で、複数の素反応が同時に進行し、且つ、運転時間の経過に伴って触媒活性の劣化が起こり、目的成分の収率も変化するという複雑なものであるが、本モデルでは、関与する化学種を7成分に簡略化し、目的成分をベンゼンのみとし反応器内で起こる素反応を重要なものの8つとし、触媒活性の劣化のダイナミックスも考慮に入れた。本研究では、断熱反応器を用いているが、改質反応系は大きな吸収熱反応を伴うことから、転化率を上げるために6つの反応器を直列に接続し、各反応器の前に加熱炉で熱を供給するようなプロセスを想定している。構築したダイナミックモデルを組み合わせることで、6つの反応器全体の動特性を表現しうるモデルを得た。 次に、反応器の入口温度と出口温度および主な原料成分(4成分)を入力とし、同時刻における生成物成分を出力とするニューラルネットモデルを構築し、シミュレーションデータを用いて、バックプロパゲーションによりニューラルネットの学習を行なった。このニューラルネットの出力データを再び入力に与えることを繰り返すことによって、6段目の反応器出口組成即ち生成物組成を求めた。その結果、シミュレーターによりもとめた生成物組成をニューラルネットモデルで、精度良く推定できることが確認できた。なお、ニューラルネットは3層からなり、入力層、中間層、出力層のセル数はそれぞれ6,12,4である。 (2)反応システムの最適化:上記のニューラルネットモデルを用いて、6段目の反応器のベンゼン収率を一定に保つための各段における反応器の入口温度の時間軌跡を求める問題を解いた。ニューラルネットモデルにより求めた入口温度の時間軌跡は、シミュレーターにより最適化計算で求めたものとほぼ一致しており、良好な結果を得た。また、ニューラルネットモデルによる最適化計算は、シミュレーターによるものと比べて計算時間が非常に短いので、種々の最適化問題を解く場合には優れた方法であるといえる。また、反応器への流量が変動するような外乱がある場合には、ニューラルネットモデルを再学習させて、モデルを更新することによって、外乱にも対処しうることを確認した。 なお、以上の結果をまとめて、公表の準備をしている。
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