Project/Area Number |
07650991
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川崎 三津夫 京都大学, 工学研究科, 助教授 (50111927)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | Ag(111)薄膜 / AgXモノレイヤー / 二次元J-凝集体 / 自己凝集分子膜 |
Research Abstract |
高配向貴金属膜表面上で二次元系に束縛された色素分子集合体の構造と光物性を実験的に検証することを目的として実施計画案に沿って研究を進め、以下の成果を得た。 (1)準原子スケールで平滑な表面を有する高配向Ag(111)薄膜をハロゲン化物イオンの希薄溶液に浸漬すると、その表面に疑似的なハロゲン化銀単分子層が形成し、これを吸着場として種々のシアニン色素分子が自己凝集的に会合し、高秩序を保った二次元分子集合体を形成することを確証した。 (2)上記の系以外に、数十オングストロームの膜厚を有するAu超薄膜を堆積させたAg(111)基板上に、真のハロゲン化銀(111)面の構造に限りなく近い構造を持ち、安定性の点でもはるかに優れたハロゲン化銀単分子層の構築に成功した。この表面にも多くの有機色素分子がその希薄溶液から自己凝集的に会合して、二次元分子集合体を形成することが分かった。 (3)二次元色素分子集合体として対照的な分子配列を有することが予想されるH会合体とJ会合体の構造を走査型トンネル顕微鏡により比較観察し、従来の励起子理論と符号する分子配列が実空間像としてはじめて観測できた。 (4)ハロゲン化銀単分子層の存在が色素分子の吸着に本質的な役割を果たしているとは言え、観測している分子集合体は物理的には金属表面に極めて近い所に存在している。このような系の反射スペクトルに反映される分子集合体の光学的特性を定量的に評価するために、角度分解偏光反射スペクトルの測定を行った。その結果、色素分子は金属の高い反射率により誘起される入射光と反射光の干渉場と相互作用していることが明らかになった。またこの結果より、二次元分子集合体のモル吸光係数を算出することができた。
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