14族元素水素化物による有機金属錯体の還元反応-不均一系触媒反応の還元過程のモデル化-
Project/Area Number |
07651048
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
穐田 宗隆 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (50167839)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | ヒドロシラン / Fischer-Tropsch合成 / 脱酸素還元反応 / CO / 金属カルボニル錯体 / モリブデン / ルテニウム |
Research Abstract |
CO水素化反応等の不均一系触媒反応の中間体の挙動及び還元反応特性を明らかにすることを目的として、中間体に対応するモデル化合物を、水素等価体としてヒドロシラン等の14族元素の水素化物H_nnmR_<4-n>(m:特にSi,Sn)を用いて還元した。14族元素(m)水素化物中のH-m結合は、金属錯体に対して水素のH-H結合と類似の反応性を示すことはよく知られているが、本研究では、L_nM-Xに付加して生成するM-H,M-mR_3という二つの官能基部分のうち、特に後者のmが正に帯電してルイス酸性を示すために不均一系触媒表面上の酸点の役割を果たして基質を親電子的に活性化しM-H部分からのヒドリド付加を促進することを明らかにした。 具体的には、光照射しながらモリブデン錯体上のCO配位子をヒドロシランで還元するとメチリジン(CH)、エチリジン配位子(CCH_3)を有する三核錯体が得られた。この反応はCO水素化反応の素過程に対応しており、我々のモデル化のアイデアに蓋然性があることが明らかとなった。また得られた錯体の動的挙動について様々なラベル化合物を用いて核磁気共鳴スペクトル測定を行い、金属部分の回転運動を含む複雑な過程の解析に成功した。 一方、CO配位子を含む複核ルテニウム錯体をヒドロシランで還元すると、反応条件によってメタン、エチレンが生成することを見出した。この反応の中間体を単離・同定することにより、Fischer-Tropsch機構と呼ばれるCO水素化反応の古典的な反応機構の素過程を多段階にわたってモデル錯体上で再現することができた。また同時に従来困難とされてきた金属錯体上でのSi-H,C-H,Si-C結合の活性化反応を見出し、その反応機構についても明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)