Project/Area Number |
07651080
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子合成
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮田 幹二 大阪大学, 工学部, 教授 (90029322)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 光学活性 / 炭素鎖高分子 / オリゴマー / 分子情報 / 定序性 / 情報の表現 / 組織化 / 超分子 |
Research Abstract |
本研究は、高分子科学における長年の未解決問題の一つである“炭素鎖高分子における定序性と分子情報"の問題を、ホスト・ゲスト包接結晶の立場から解決しようとするものであり、次のような研究成果を得た。 1.光学活性な定序性炭素鎖オリゴマーとして胆汁酸ステロイドに着目しているが、理論的には千を越える誘導体を既法の組合せで合成できる。これは水素結合基の数、種類や位置の変化に基づく、定序性の変化に相当する。そのなかで二十ぐらいの誘導体の合成が既に可能となった。 2.分子情報表現の基本的な三段階として、自己認識による分子集合、他者認識によるホストゲスト複合化、ゲストの反応がある。まず、最初の分子集合を詳細に検討するため、生成した包接結晶のX線構造解析を大規模に行った。その結果、親水部・親油部の分離に基づく両親媒性構造が、分子集合体形成の機構を考えるのに重要であることがわかってきた。 3.次に、ホストゲスト複合化の観点から、各ホスト固有の包接境界を明らかにした。このような基礎データから、わずかな定序性の変化が、分子配列・分子認識を微妙に変化させていく仕組みが明らかになりつつある。特に、極性ゲストが関与する場合、複数の水素結合に基づく分子認識機構が鮮明になった。 4.上記のホストを高分子合成に用いるために、チャンネルと呼ばれる一次元空間を形成する包接結晶を探した。既にゲスト依存的ではあるが、十以上の誘導体がこの空間を形成することが判明した。現在、モノマーとの包接条件に詳細に検討している。
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