Project/Area Number |
07651096
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子構造・物性(含繊維)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡田 守 東京工業大学, 工学部, 助教授 (50185451)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 重合反応誘起相分離 / 相分離動力学 / 相分離構造 / パターン形成 / ポリマーブレンド / 時分割光散乱 / 熱硬化性樹脂 |
Research Abstract |
重合反応誘起相分離のダイナミックスならびにその機構を明らかにすることを目的として、低分子モノマー/異種高分子混合系に対し、組成・重合温度・モノマーの化学種を変えて、時分割光散乱測定、相分離構造の電子顕微鏡観察、およびゲル浸透クロマトグラフィーによる反応率測定を行った。高分子には分子量5万のポリスチレンを、モノマーには2-クロロスチレン(弱偏析系)または4-クロロスチレン(強偏析系)を用いた。重合反応の開始は、温度ジャンプのみにより、開始剤は使用しなかった。弱偏析系における組成・重合温度依存性より、以下のことが確認された。重合反応誘起相分離のダイナミックスは反応速度と相分離速度との大小関係に大きく依存する。すなわち、相分離初期(比較的低い反応率)では相分離速度が支配的で反応生成物は速やかに二相に分配され、反応生成物をより多く含む相は球状ドメインを形成する。反応率が高くなると反応が支配的になり、反応生成物は海相に蓄積される。(反応速度と相分離速度の反応率依存性は非臨界組成で明確に観測された。)やがて反応が終了し、相分離のみが進行する。その際、海相中の蓄積量によっては連続相構造が形成される。初期の相分離速度は仕込みのモノマー組成に大きく依存し、モノマー組成が多い場合は非常に速く、大きな球状ドメインが形成される。一方、強偏析系では形成される球状ドメインの粒径分布は非常に広く、時分割光散乱では散乱曲線に主ピークの裾に2つめのピークが観測された。すなわち、低い反応率では、反応と球状ドメインの粗大化が同時に起こり、2次元平面への過飽和蒸気の凝縮に類似の階層的なドメイン構造が形成されたと考えられる。
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