新しいエポキシ化反応を解媒する酵素の構造と反応機構に関する研究
Project/Area Number |
07660132
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bioproduction chemistry/Bioorganic chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
日高 智美 東京大学, 農学部, 助教授 (60212164)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ホスホマイシン / エポキシド / エポキシ化酵素 |
Research Abstract |
申請者は放線菌の生産する抗生物質ホスホマイシンの生合成研究の過程で、ホスホマイシンのエポキシドが2級アルコール(ヒドロキシプロピルホスホン酸)の脱水素により生ずる新しいタイプのエポキシ化反応であることを見い出した。このホスホマイシンのエポキシ化酵素の精製、構造と反応機構の解明を目的として研究を行い、以下の成果を得た。 1.ホスホマイシンを生産する放線菌Streptomyces wedmorensisより本酵素遺伝子をクローン化し、塩基配列を決定した。塩基配列より推定されるアミノ酸配列から本酵素は耐熱菌のアルコール脱水素酵素(NADP依存型)と低い相同性を有するとこが明らかとなった。さらに、大腸菌での本酵素の大量発現を検討しlacプロモーターを利用した大量発現に成功した。 2.上記大腸菌酵素の活性測定の至適条件、安定化条件を検討し、精製を行った。イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、ゲル濾過HPLCなどにより均一な精製に成功し、本酵素はサブユニット分子量26kDaの3量体であることが判明した。 3.精製酵素を用いて生化学的諸性質、反応機構の検討を行った。その結果、反応至適温度は37℃、至適pHは7.0、基質であるヒドロキシプロピルホスホン酸に対するKm地は0.24mMであった。また、反応機構の検討の結果、このエポキシ化反応は好気条件で進行すること、反応には2価の鉄イオンが必須であること、反応の結果過酸化水素が生成することが明らかとなった。従って、本酵素は2価の鉄イオンを補因子とする酸化還元反応であることが判明した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)