Project/Area Number |
07660241
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General fisheries
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
丹羽 宏 名古屋大学, 農学部, 教授 (80023448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 麻木 名古屋大学, 農学部, 助手 (80221985)
海老原 史樹文 名古屋大学, 農学部, 助教授 (50135331)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | メラトニン / 松果体 / 網膜 / サーカディアンリズム / 光受容細胞 / 魚類 |
Research Abstract |
松果体は円口類から爬虫類に至る動物種では光受容器官、鳥類では光受容能と共に生体時計、哺乳類では内分泌器官であることがわかってきたが、共通していることは松果体の機能と光環境が密接に関連していることである。本研究では、魚類の網膜及び松果体にみられる光感受物質とそれらの器官で特異的に合成されるホルモンであるメラトニンとの関連を明らかにすることを目的として、特に網膜と松果体のメラトニンに関する知見が得られたので、ここに報告する。長期飼育、入手の簡便なコイを12L:12D条件下で2週間程度飼育した後、松果体、網膜、血漿のサンプリングを行った。サンプリングは数時間毎に、明期に2〜3ポイント、暗期に3〜4ポイントの時刻について行い、RIA法を用いてメラトニンの含量を求めた。その結果、松果体、網膜、血漿中それぞれのメラトニン含量に明期に低く暗期に高い顕著な日周リズムがみられた。また、12L:12D条件に続く恒暗条件下では、網膜のメラトニン濃度が恒暗条件にした1日目から3日目までの3日間の主観的暗期の時間に主観的明期の時間より高い値を示した。それに対して松果体では明らかな濃度変化は認められず、コイの網膜自体にサーカディアンクロックが存在すると考えられた。次に、網膜と松果体の光受容とメラトニン合成がどのような相互関係を持っているのかを明らかにするために光ファイバーを用いた局所的光照射装置を作製し、網膜のみに局所的に光を当てて、メラトニン含量の変化を調べようとしたが、眼球に照射した光は脳や松果体にまで透過してしまうことがわかった。その時の結果は、松果体より網膜に強い光が照射されているにも係わらず、網膜中のメラトニンに変化はみられず、松果体と血漿中のメラトニンは有意に抑制された。以上の結果よりコイの松果体と網膜はメラトニンの合成とそれに係わる光受容をそれぞれ独立して制御している可能性が示唆された。
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