海藻食中毒に関連してオゴノリ科紅藻のPGE2生成酵素に関する研究
Project/Area Number |
07660270
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Fisheries chemistry
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮澤 啓輔 広島大学, 生物生産学部, 教授 (20034457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅川 学 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (60243606)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | オゴノリ / 海藻食中毒 / PGE2 / 生成酵素 / シラモ |
Research Abstract |
オゴノリ喫食による特異な食中毒がこれまでわが国で数回発生し、その原因は海藻酵素の触媒によりマラキドン酸から大量生成されたプロスタグランジンE2(PGE2)と推定されている。本研究ではオゴノリ類海藻のPGE2生成量の変動関連酵素の性質を明らかにし、海藻中毒の発生機構を解明し、その予防に資するとを目的とし、以下の結果を得た。1)オゴノリ(Glacilaria verrucosa)、シラモ(G. bursa-pastoris)およびツルシラモ(Glacilariopsis charoides)の3種を広島近郊の瀬戸内海沿岸で1994年から1995年の2年間毎月採取してその水抽出液のPGE2生成量をHPLC法により検討した。最高値は3種とも45μg/g生鮮藻体で、同じレベルにあった。2)PGE2生成能の季節変化では、オゴノリで5-7月に活性が認められ、他の月では不検出である等、季節変動を認めた。広島近郊産の試料では地域差は認められなかった。3)同一地産のオゴノリの藻体の大小によるPGE2生成活性を見ると大型(藻体長30cm以上)では年間を通じて活性が観察されない一方、中型(25-10cm)と小型(10cm未満)では季節による差はあるがかなり高い活性が検出され、藻体の成長による活性の消失が認められた。4)オゴノリ科の海藻はその生活史において雄性配偶体、雌性配偶体、四分胞子体の3種に分別されるが、雌性配偶体(嚢果をもつ)と他藻体の活性を比較したが、明確な差は観察されなかった。5)1か月冷凍貯蔵(-21℃)後には活性は半減した。6)反応液調製の際、液体窒素凍結後、処理すると、PGE2の生成量は数倍に上昇した。また低pHの抽出溶剤を用いるとPGE2が激減した。本研究ではオゴノリ類海藻のPGE2生成系に関与する酵素の基礎的データを得たが酵素の分離、精製には至らなかった。今後この反応に関与する酵素の分離を試みる計画である。
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Report
(1 results)
Research Products
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