Project/Area Number |
07660390
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Basic veterinary science/Basic zootechnical science
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
首藤 文榮 岩手大学, 農学部, 教授 (60001533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲波 修 岩手大学, 農学部, 助教授 (10193559)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | ボツリヌス毒素 / 神経毒素 / 抗毒素 / キメラ分子 |
Research Abstract |
ボツリヌス中毒症は、致命率の高い疾患である。ボツリヌス毒素は、呼吸筋の神経終末から細胞内に取り込まれ、アセチルコリンの放出を阻害して呼吸麻痺を引き起こす。毒素分子がいったん細胞内に取り込まれると、もはや抗体は結合できなくなるから、抗血清の効果は殆ど期待できなくなる。これがボツリヌス中毒症の致命率を高めている原因の一つである。 ボツリヌス神経毒素は重鎖と軽鎖からなり、重鎖が神経終末の特異的結合部位に結合して軽鎖を細胞内に送り込み、軽鎖は重鎖と離れて毒性を発現する。重鎖に抗軽鎖抗体を担がせれば、毒素と同じ経路で中和抗体を障害部位に送り込むことができ、障害部位に存在する毒素を中和できるであろうとの考えからこの研究を始めた。キメラ分子の作製には、化学合成と遺伝子工学による方法とがあるが、この研究では化学合成を試みた。まず、精製毒素を重鎖と軽鎖に分離し、一方では抗毒素血清から抗軽鎖抗体を精製した。抗軽鎖抗体をペプシンで消化してF(ab')_2を得、これをシステアミンで還元した後、0°Cで重鎖と会合させた。この反応では数種類の会合体が得られ、分子サイズは300-25kDaに亘っていた。会合体のなかから分子サイズ約15kDaのものを分離し、分子構成を解析した。この画分には毒素の重鎖とFabの重鎖および軽鎖に相当するコンポーネントが含まれていた。この画分の毒素中和活性は、加工されていない毒素の約2.5倍であった。しかしながら、この方法では分子構築の上で大きな制約を受けるばかりでなく、収率も低い。多様な機能分子を恒常的に確保し、さらにこの原理の応用性を高めるためには、遺伝子工学的手法を導入することが不可欠である。
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