腎血行動態の調節機構における血管収縮ペプチドの役割-実験的腎不全モデルにおけるエンドセリンの作用と遺伝子発現
Project/Area Number |
07670116
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General pharmacology
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
雪村 時人 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (10145774)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 腎臓 / エンドセリン / オートラジオグラフィー / I型間質細胞 / エンドセリン受容体 |
Research Abstract |
エンドセリン(ET)は血管内皮細胞が産生する強力な血管収縮ペプチドとして見出されたが、本ペプチドの腎臓に対する作用は決して単純でなく、直接の血管平滑筋収縮に加え、同時に血管拡張と利尿効果を併せもつ。ET受容体にはETAおよびETB受容体の少なくとも2つのサブタイプが知られており、血管平滑筋収縮はETA受容体を介するものであり、ETB受容体の刺激により血管拡張物質(プロスタグランジン、NO)の腎内での生成・遊離が促進されるとともに利尿効果がもたらされる。(方法)Wistar系雄ラット(体重250-300g)をペントバルビタールで麻酔し腎を摘出した。^<125>Iで標識したET-1を用いて腎内の結合部位をマクロ、光顕および電顕オートラジオグラフィーにより明らかにし、また、ETAおよびETB受容体にそれぞれ選択的なリガンドを併用することでET受容体の腎内分布をサブタイプ別に調べた。(結果)ラット腎には特異的なET受容体が存在し、ETAおよびETB受容体選択的リガンド存在下に施行した^<125>I-ET-1の定量的マクロオートラジオグラフィーの成績から、ETA受容体に比してETB受容体の分布がより密であり、皮質に比し髄質特に髄質内層に結合が強い。光顕オートラジオグラフィーによると、皮質では糸球体、尿細管周囲組織、細動脈に、髄質では直血管とその周囲組織に強い結合を認めた。これらの結合はETA受容体あるいはETB受容体に選択的リガンド存在下にも観察された。電顕オートラジオグラフィーにより^<125>I-ET-1の結合部位の細胞分布を調べると、すでに報告されているように糸球体毛細血管、尿細管周囲毛細血管、細動脈平滑筋および毛細血管、さらに直血管に強い結合を認めたが、今回新たに髄質内層のI型間質細胞および集合管基底側に^<125>I-ET-1の結合を認めた。(結論)血管収縮作用に加えてETは集合管に対する作用が知られていたが、集合管における特異的受容体を介し、腎循環の調節のみならず尿生成に影響すると考えられる。髄質内層のI型間質細胞は従来から脂質あるいはアラキドン酸の代謝が盛んで、本ペプチドによるプロスタグランジン生成・遊離の刺激効果に関係するのかも知れない。
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Report
(1 results)
Research Products
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