視床下部睡眠-覚醒調節系における神経伝達機構の解析
Project/Area Number |
07670185
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
尾上 浩隆 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第3研究部, 研究員 (80214196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 恭良 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第3研究部, 研究部長 (40144399)
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Project Period (FY) |
1995 – 1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 視床下部 / 睡眠 / 覚醒 / プロスタグランジン / 興奮性アミノ酸 / 非NMDA型受容体 |
Research Abstract |
視床下部は脳幹とともに睡眠-覚醒の調節において重要な位置を占めており、その前部にある前脳基底核から視束前野は睡眠中枢としての役割を持ち、後部にある結節乳頭核やその周辺部は覚醒中枢として働いていると考えられている。特に視床下部後部はヒスタミンニューロンの起始核があり、覚醒調節の神経機構の存在が強く示唆されている。我々はマイクロダイアリシス法を用いて、視床下部後部の神経機構を検討した結果、これまで覚醒調節物質として知られていたプロスタグランジンE_2(PGE_2)がこの部位で強い覚醒作用を示すこと、また、その作用が興奮性アミノ酸の非NMDA型の受容体のアンタゴニストであるCNQXやDNQXといった物質によって、特異的かつ用量依存的に阻害されることを明らかにした。興奮性アミノ酸の非NMDA型受容体は薬理学的にAMPA型とカイニン酸型に分類される。今年度の研究において、覚醒作用はカイニン酸よりAMPAの方が作用が強いことが明らかとなり、その作用はむしろAMPA型の受容体を介していることが示唆された。このことは免疫組織化学的手法を用いた検討により、AMPA型の受容体に属する受容体蛋白(GluR1-GluR4)が後部視床下部に強く発現されていることからも支持されている。今年度はPGE_2受容体のサブタイプの解析がもう一つの大きな研究テーマであったが、マイクロダイアリシス法を用いた睡眠-覚醒のアッセイ系が、ダイアリシスプローブの大きさの問題から部位特異性を論じれるサルでしか適用できないことがリミットとなり、実験が遂行できなかった。この反省として、代替え動物に、睡眠実験にこれまで多く用いられ、脳も比較的大きなネコにこの方法を適用した結果、興奮性アミノ酸神経系が逆説睡眠の調節機構に深く関与しているという、全く新しい知見が得られた。今後、実験目的に応じたこれらの睡眠-覚醒アッセイ系の適用により研究が進展することが期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)