リステリア感染における一酸化窒素合成酵素発現の病原因子との関連およびその意義
Project/Area Number |
07670302
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bacteriology (including Mycology)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
光山 正雄 新潟大学, 医学部, 教授 (10117260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 伊久雄 新潟大学, 医学部, 助手 (20214695)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | リステリア / 一酸化窒素 / マクロファージ / サイトカイン / 病原因子 / 感染防御 |
Research Abstract |
細胞内寄生性細菌であるリステリア(Listeria monocytogenes)の病原因子が感染宿主でのサイトカイン発現を規定している従来の我々の知見を基盤として、感染によりマウスのマクロファージに誘導される一酸化窒素合成酵素(iNOS)の発現とリステリアの病原因子の関連を解析し、以下の成果を得た。 1.リステリン感染で誘導されるiNOSのmRNA発現は、病原性を有しマクロファージ内増殖能を示す菌に限られ、非病原菌株や死菌株では誘導されなかった。特に主要病原因子であるLLO(listeriolysin O)産生能が重要と考えられた。 2.感染により脾で発現するサイトカインの種類とiNOS発現の関係をRT-PCRでしらべると、IFNγおよびIL-1αの発現がある場合に限ってiNOSの発現がみられた。またIFNγを抗体で中和するとiNOS発現は抑制された。抗asialoGM1抗体+補体で処理した脾細胞ではiNOS発現が消失することから、IFNγの産生はNK細胞に依存することが判明した。 3.主要病原因子であるLLOを精製して脾細胞を刺激すると、リステリア生菌刺激と全く同様のパターンのサイトカイン発現がみられ、やはりIFNγに依存していた。この場合、IFNγ以外のサイトカイン、とくにIL-1α,TNFαの共同作用もiNOS産生には関与できることが示された。 4.非特異的感染抵抗性の発現におけるiNOSの誘導とそれによるNO産生の意義を明らかにする目的で、BCG生菌をマウスに接種し、早期のリステリア感染に対する感染防御能の変化をしらべた。IFNγ発現とiNOS発現の誘導される条件では、強い感染抵抗性の発現がみられたが、iNOSの抑制剤であるNMMAを投与したマウスでは、抗体リステリア抵抗性が著明に減弱した。 以上の結果から、リステリア感染に伴うiNOSの発現は本菌の病原因子とくにLLOに依存し、NK細胞由来のIFNγがその中心的誘導因子であること、また実際にiNOS-NOがリステリアに対する非特異的宿主防御に重要な役割を果たすことが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)