Project/Area Number |
07670338
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Virology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
余 郷 嘉明 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (60092376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 唯一 東京大学, 医学部附属病院分院, 助教授 (70010551)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | JCウイルス / ポリオーマウイルス / 伝播様式 / ヒト集団 / 進化系統樹 / 沖縄 |
Research Abstract |
ヒト・ポリオーマウイルスJC(JCV)は進行性多巣性白質脳症(PML)の原因ウイルスである。大部分のヒトは子供の時にJCVに感染する。感染後、抗体が産生されるようになっても、JCVは完全には排除されず、腎組織に生涯存在する。大部分の成人において、腎組織内のJCVは増殖しており、産生された子ウイルスは尿中に排泄される。我々は、この尿中JCVを利用して、JCVは主に親から子へ伝播することを示した。我々はこの伝播様式を説明するために、「感染原となるJCVは子供の周りに存在するが、JCVの感染効率が極めて低いため、子供は最も頻繁に接触する大人から感染する」という仮説を立てた。この仮説によれば、例え国際的な都市においても、子供は外国人がばらまくJCVに滅多に感染しないことになる。我々は、上記の仮説を検証するために、沖縄県におけるアメリカ人のJCV株の侵淫度を調査した。 1.終戦までに成人した沖縄県民の尿から、PCRによって42個JCV株を得た。これらの株の内13株からVT-遺伝子間領域を増幅し、塩基配列を決定した。得られた塩基配列を基に進化系統樹を作成し、亜型を決めた。他の29株に対しては、制限酵素切断断片長多型(RFLP)解析を行い、亜型を決定した。その結果、沖縄県に固有の株はCY、MY及びSCであることが明らかになった。 2.ニューヨーク市のエイズ患者から尿から9個の株を分離した。これらの株のVT-遺伝子間領域の塩基配列を決定した。得られた塩基配列を基に進化系統樹を作成し、亜型を決定した。また、マジソン市でPML患者から分離された11株(Ault & Stoner、1992)の亜型を、発表された塩基配列を用いて決定した。その結果、アメリカで蔓延している株は、EU亜型(45%)、EB亜型(25%)、AF1亜型(10%)、AF2亜型(10%)、SC亜型(5%)、その他の亜型(5%)であることが分かった。 以上により、EU、AF1、及びAF2亜型がアメリカ人から沖縄県民への伝播の指標となることが判明した。 3.戦後に生まれ、育った沖縄県民、即ちアメリカ人と接触した可能性がある沖縄県民の尿から125個の株を得た。これらの株に対してRFLP解析を行った。戦後に生まれ、育った沖縄県民から、EU、AF1、及びAF2亜型は検出されなかった。 以上の結果から、ヒト集団とヒト集団との間にJCVの伝播を阻止する壁が存在することが証明された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)