成人T細胞白血病ウイルスの唾液腺における存在様式と病原生発現機構
Project/Area Number |
07670346
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Virology
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
片峰 茂 長崎大学, 医学部, 助教授 (40161062)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | シェ-グレン症候群 / 慢性関節リウマチ / 自己免疫疾患 / レトロウイルス / IgA / HTLV-1 / 唾液腺 |
Research Abstract |
申請者らは昨年度、HTLV-1流行地である長崎県におけるシェ-グレン症候群患者の血清疫学調査を行い、本症候群患者中に占めるHTLV-1感染者の比率(約28%)が対象集団のそれ(4-5%)に比し有意に高い事を見いだし報告した。この事実はHTLV-1が本症候群の病因を何らかの関連を有することを強く示唆した。本研究においては感染シェ-グレン症候群患者中のHTLV-1の動態を明らかにする目的で、患者の血清抗体、唾液抗体及び血液、唾液腺中組織ウイルス量を定量的に解析し、以下の知見を得た。 (1)血清抗体価はHAM/TSP患者と同時に高値である。 (2)血清IgM抗体の検出頻度が高率である。 (3)血清IgA抗体の検出頻度が高率である。 (4)血中ウイルス量はHAM/TSP患者ほど高値ではなく、健常キャリアと差がない。 (5)唾液腺組織中ウイルス量は高値であり、ほとんどの患者でその値は血中ウイルス量を上回った。 これらはシェ-グレン症候群患者においてはHTLV-1の異常活性化が存在するが、その活性化部位はHAM/TSP患者と異なり外分泌腺組織に限局している事を強く示唆する(論文投稿中)。局所におけるウイルス発現(活性化)が本症候群の病因・病態と関連するものと考えられる。現在、唾液腺組織中における感染細胞(ウイルスの局在)を同定するためin situ PCR法を用いた解析が進行中である。 またリウマチ性関節炎(RA)患者の血清疫学調査により、RAにおいてもシェ-グレン症候群と同様にHTLV-1が関与する可能性を示唆する成績を得た。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)