Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
マウス小腸粘膜の最前線に分布する上皮細胞間T細胞(intestinal intraepithelial T cells; IEL)は,その大多数が胸腺外で発達分化するCD8^+ T細胞であり,αβ-IELとγδ-IEL約半数ずつで構成される.IELの生体内生理的機能は未だ不明であるが,私はαβ-IELとγδ-IELの機能が異なることを示唆する知見を得ていた.IELがターンオーバーの速い上皮細胞(IEC)間に分布することは,IELとIECの機能的cross-talkが想定される.本研究では,遺伝子ターゲッティング手法によってαβ-IELのみを欠損するαβ(-/-)マウスとγδ-IELのみを欠損するγδ(-/-)マウスのIEC再生及び発達分化を検索した結果以下の新知見を得た.1)γδ(-/-)マウスの小腸陰窩(crypt)IEC細胞数は有意に減少する.2)γδ(-/-)マウスcryptでのIEC再生及び絨毛先端への移行も有意に減退する.3)絨毛部位のIECに発現するMHCクラスII抗原もγδ(-/-)で著しく低下する.4)αβ(-/-)マウスではIECの再生・発達分化に変異は認められず,正常wild-typeマウスと同程度である.5)γδ(-/-)マウスニ,γδT細胞を外から移入してγδ-IELを再構成すると,IEC再生や発達分化が増強し,wild-typeマウスと同程度にまで回復する. 以上の事実から,γδ-IELはIECの発達分化を正の方向へ統御することが確かめられた.この新知見によってγδ-IELとαβ-IELの生体内生理的機能が質的に異なることを明らかにした.
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