mRNA発現解析によるカロリー制限の腎不全に対する予防学的効果に関する研究
Project/Area Number |
07670397
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hygiene
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
栗原 伸公 東京大学, 医学部(医), 助手 (10234569)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 攻 東京大学, 医学部(医), 教授 (60009933)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
|
Keywords | 腎不全 / 予防 / 蛋白制限 / カロリー制限 / エンドセリン / mRNA / RT-PCR / 絶食 |
Research Abstract |
(目的)腎不全の予防に関しては、従来の蛋白制限に加えて、最近カロリー制限によるものが報告されているが、その機序についてはほとんど明らかになっていない、近年、我々はいくつかの腎血管性ホルモンの急性腎不全モデルにおける産生上昇が、カロリー制限の極端な形である絶食によって抑制されるという、短期絶食の腎不全に対する予防効果を明らかにした。本研究では、強力な血管収縮性ホルモン、エンドセリンのmRNA発現を指標に、カロリー制限の腎不全に対する予防医学的効果について、蛋白制限の効果と比較しながら検討を行った。(方法)高蛋白、標準蛋白、低蛋白の蛋白食、また蛋白の1日摂取量を一定に保つように、高度、軽度のカロリー制限食を作成し、それぞれを2週間、ラットに摂取させたのち、急性閉塞性腎症モデルを作成した。これらラットの腎糸球体細胞からRNAを抽出、エンドセリン-1に対するmRNAの発現をRT-PCR法を用いて分析し、定量を行った。(結果及び考察)それぞれの食餌群で、閉塞性腎症モデルから得られた腎糸球体細胞内のmRNAは、コントロール群に比しいずれも有意に高く、閉塞性腎症における腎機能低下におけるエンドセリンの関与があらためて確認された。エンドセリン-1に対するmRNAの発現は、摂取蛋白量の上下によって、コントロール群・腎症モデル群とも上下するのが認められたのに対し、摂取蛋白量を一定にした場合、摂取カロリー量は両群ともその発現に影響を与えないことが明らかとなった。蛋白による影響は、蛋白制限の腎不全に対する予防効果をあらためて示すとともに、その機序におけるエンドセリンの役割を強く示唆している。また、カロリー制限についての結果は、腎不全に対するカロリー制限の効果を決して否定するものではないが、少なくとも閉塞性腎症ではカロリー制限による変化にエンドセリンの関与はないものと考えられた。カロリー制限による予防効果については、この知見をもとにさらなる検討を必要とする。加えて、以上のことから、短期絶食が閉塞性腎症を予防する機序としては、カロリーよりも蛋白がより重要な役割を果たしていると考えられた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)