廃用性筋萎縮における酸化的ストレスとその役割の解明-寝たきり老人問題の解決に向けて-
Project/Area Number |
07670437
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public health/Health science
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
西野 幸典 同志社女子大学, 生活科学部, 教授 (20093289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糸川 嘉則 京都大学, 大学院・環境医学, 教授 (80025593)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | atrophy / oxidative stress / iron-binding protein / hydroxyl radical / nitric oxide |
Research Abstract |
現在、我が国では寝たきり老人が増加し、社会問題になっており、廃用性筋萎縮は重要な課題となってきている。我々は従来から、廃用性筋萎縮において酸化的ストレスが生じており、それが筋萎縮そのものを促進していることを示してきた。今回の研究では、廃用性筋萎縮における種々の活性酸素種の産生を実際に証明すると共に、その活性酸素の産生と深く関わる蛋白として、萎縮に伴って筋小胞体で誘導させる54KDaの鉄結合性蛋白を同定したので報告する。 先に我々は、抗酸化酵素活性や組織化学的検討から細胞質におけるH_2O_2の増加を示し、さらに小胞体分画における鉄の増加から、萎縮筋の細胞質における・OHの産生増加の可能性を示唆してきた。そこでサリチル酸を・OHの捕捉剤として用いることにより、萎縮筋における・OHの産生をin vivoで実際に検証した。萎縮筋では・OHに特異的な2,3-dihydroxybenzoic acidが有意に増加しており、確かに・OHの産生が萎縮筋で増加していることが証明された。 またH_2O_2と同様に比較的長寿命の活性酸素種であるNOについても検討した。NO synthase(NOS)活性は^3H-arginineを用いたcitrulline法で測定した。廃用性萎縮筋では特にCa依存性NOSが8日間・12日間の萎縮で約50%増加しており、萎縮筋におけるNOの産生の増大が明らかとなった。この増加したNOSのタイプをWestern Blottingを用いて同定した所、Neuronal NOSであった。 一方で我々は先に述べたように筋小胞体分画における鉄の増加を報告している。そこで今回は、筋小胞体蛋白をSDS-PAGEで分離後、ニトロセルロース膜に転写し、^<59>Feをプローブとして、鉄結合性蛋白を検索した。その結果、鉄結合性の54KDaの蛋白のみが4日間の萎縮筋で既に誘導されており、この蛋白が活性酸素の産生と深く関連していると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)