Project/Area Number |
07670446
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public health/Health science
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
永野 恵 熊本大学, 医学部, 助手 (10136723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二塚 信 熊本大学, 医学部, 教授 (80040195)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 職業性白斑 / 4-(p-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン / アルキルフェノール / 黒色マウス / チロジナーゼ |
Research Abstract |
熊本県下のある工場で発生した職業性白斑に関して、その原因物質と考えられる新規産業化学物質、4-(p-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン(ラズベリ-ケトン、RA)の色素脱失作用およびその発症機序を明らかにする目的で実験的検討を行い以下の結果を得た。なお、白斑を呈した作業者はRAの製造工程中にRAの粗結晶であるR-RAおよびD-RAにも暴露されており、これらの色素脱失作用についても検討した。 1.動物(C57黒色マウス)におけるRKの色素脱失作用の証明 RK、D-RK、R-RKのいずれにも色素脱失作用が認められ(基剤は親水軟膏、濃度は5〜20%を使用)、その強さ(白毛の程度により4段階評価)はR-RK>D-RK>RKであった。 2.RK、D-RKおよびR-RKの組成分析 D-RKおよびR-RKでRKより強い色素脱失作用が認められたため、GC-MSによる分析を行ったところRKの純度は99.98%であった。一方、D-RKの純度は約90%で、10本の不純物(末反応物および反応生成物)ピークが認められ、この中にフェノール(既知の白斑惹起物質)が0.3%含まれていた。よって、白斑の起因物質としてRKのみならずフェノールの関与も考えられた。R-RKの組成は現在分析中である。 3.色素脱失作用の機序の検討 RKおよびフェノールはin vitroで低濃度から高濃度(0.01mM〜2.5mM)の範囲のチロジナーゼ(マッシュルーム由来、基質として0.05mM〜1mMのチロジンおよびL-ドーパを使用)の活性を亢進した。アルキルフェノールによる白斑の発症機序の1つに、チロジナーゼの阻害によるメラニン生成の抑制が考えられているが、これまでのところRKにはこのような作用はみられず、現在、細胞毒性等を検討するためにメラノサイトの培養実験を準備中である。
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