ビタミンD誘導体(OCT)の膵癌細胞株に対する分化誘導効果
Project/Area Number |
07670581
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
川 茂幸 信州大学, 医学部, 講師 (10177628)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | ビタミンD / 22-oxa-calcitriol(OCT) / 膵癌 / 分化誘導療法 / calcitriol |
Research Abstract |
膵癌に対する新しい治療法を開発する目的で、ビタミンD誘導体の膵癌細胞株に対する、分化誘導効果、増殖抑制効果をビタミンDレセプターとの関連において検討した。活性型ビタミンD(1,25D3)と高カルシウム血症をきたさない誘導体,22-oxa-calcitriol(OCT)は、9種の膵癌細胞株のうち3種で濃度依存的に同等の増殖抑制効果をみとめた。増殖抑制効果は、G1期でのcell cycle arrestと著明なdome形成を伴っており、分化誘導効果と連動していた。ヌードマウス皮下に移植した腫瘍に対しては、OCTは1,25D3よりも増殖抑制効果が強く、また高カルシウム血症や体重減少は認めなかった。各細胞のビタミンDレセプター(VDR)量をScatchard plotにて求め、増殖抑制効果との関連を検討した結果、充分量のレセプターの発現が、その効果発現に重要であることが判明した。しかし、増殖抑制効果を全く認めない2種の細胞株においても、充分量のVDRが発現しており、またcDNAの配列を調べてもこれらのVDRの一次構造に異常を認めなかった。以上のことより、OCTは1,25D3に比較してより有効な、膵癌に対する分化誘導療法剤となりうる可能性がある。ただし、その効果は特定の細胞に対する選択性が強く、VDRの量的、質的な差異以外の因子の関与が考えられる。臨床応用に向けて、どの様な因子の関与が重要か解明しなければならない。分化誘導を調節する各種cell cycle agentsの存在が明らかになってきたので、今後はOCT効果とcell cycle agentsとの関連を検討してゆく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)