Project/Area Number |
07670645
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Respiratory organ internal medicine
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西村 正治 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (00208224)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 低酸素 / アデノシン / カリウム / アミノフィリン / ジピリダモ-ル / 呼吸調節 / 運動 |
Research Abstract |
我々は以前アミノフィリン前投与が運動と低酸素負荷に伴う血清K濃度上昇を有意に抑制することを示した。しかも、そのとき運動に伴う低酸素換気応答亢進の程度も軽減したことから、運動時の低酸素化学感受性亢進における血清Kの役割を示唆した。そこで、本研究では運動時の血清上昇に対する低酸素とアミノフィリンの効果を分離評価する目的で、健常者9名を対象に、プラセボあるいはアミノフィリン(6mg/kg)を静注し、室内気および低酸素ガス吸入下で仰臥位エルゴメーターによる2段階の運動(25W,50W)を行った。低酸素吸入時には、動脈血酸素飽和度は平均82%まで低下していた。50Wの運動に伴う血清K上昇は室内気吸入時0.36+0.05(SE)mEq/1に対して低酸素吸入時には0.50+0.06mEq/1と有意に上昇した。しかし、アミノフィリン前投与にはより、運動に伴う血清K上昇は同程度に認められたが、低酸素負荷による増強を完全に抑制した。 中等度の低酸素刺激により、骨格筋レベルでのアデノシン産生が亢進するか否か、あるいはその流出が亢進するか否かを確かめるために、健常者5名を対象に橈骨動脈と正肘静脈にカテーテルを留置して、動脈血酸素飽和度80%程度の低酸素負荷に対する血中アデノシン濃度の変化を検討した。血中アデノシン濃度は、室内気吸入時あるいは低酸素ガス吸入時にも動静脈間較差はなく、20分間の負荷中にも有意の上昇を認めなかった。しかし、アデノシンの細胞内への取り込みを抑制するジピリダモ-ルを前投与すると、動静脈血とも低酸素負荷直後の濃度は有意に上昇した。しかも、その後20分間の低酸素負荷により経時的にさらに大きく上昇し、それは静脈血においてのみ認められた。この結果は、中等度の低酸素刺激に対しても骨格筋内では明らかにアデノシン産生亢進があり、またそれが流出している可能性を示している。
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