Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
1.C.pneumoniae炎症惹起蛋白の解析 C.pneumoniaeの基本小体(EB)で最も免疫原性の強い蛋白は60KDa蛋白であり,遺伝子解析の結果,Heat Shock Protein(HSP60)であることを確認した。BALB/Cマウスを用いあらかじめC.pneumoniae粗精製EBで免疫し,4週後にEBのTritonX-100可溶性画分を投与して組織学的検討を行った結果,生菌による再感染実験と同様の炎症所見が得られた。しかしこのTritonX-100可溶性画分にはHSP60以外の73,68,53KDa蛋白なども含まれるため,さらにHSP60に対するモノクローナル抗体をプロテインセファロースに吸着させHSP60のみを精製し,同様の再感染実験を行ったが,炎症を惹起させることは出来なかった。 以上の実験成績よりHSP60は強い免疫原性を有しているが,それ単独では炎症は惹起し得ず,その他の73,68,53KDa蛋白などの複合体により炎症を惹起するのであろうと考えられた。 2.PCRによるC.pneumoniae検出のための新たなプライマーの作製 本邦で分離されたC.pneumoniae YK-41株で同定された53KDa蛋白は,C.pneumoniaeに種特異的であることから,この53KDa蛋白をコードするDNA塩基配列の一部を増幅するプライマー(53・1-53・2)を作製した。C.pneumoniae 24株,他のクラミジア3種、その他の細菌17菌種で検討した結果,高い特異性が証明され,さらにCampbellらのプライマー(HL-1,HR-1)と比較して10倍感度が良好であった。 3.臨床的検討 1995年,天草地区でみられたC.pneumoniae感染集団発生例について,中学生184例を対象に血清学的検討ならびに抗原検索を行った結果,27例のC.pneumoniae感染例を証明した。この中3例に健康保菌者が認められ,治療により症状が改善しても長期に抗原陽性を示す例のあることなどを明らかにした。
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