造血幹細胞の末梢血動員への接着分子の関与と同種末梢幹細胞移植の可能性の検討
Project/Area Number |
07670841
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pediatrics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辻 浩一郎 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50179991)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 造血幹細胞 / 末梢血造血幹細胞移植 / 接着分子 / CD34陽性細胞 |
Research Abstract |
1.リコンビナイトヒト顆粒球コロニー刺激因子(rhG-CSF)による造血幹細胞/前駆細胞の末梢血中への動員 rhG-CSF100μg/m^2、200μg/m^2を健常成人に7日間連日投与し、末梢血中に動員される造血幹細胞/前駆細胞数の変動をメチルセルロース培養法及びフローサイトメトリーを用いて検討した。rhG-CSF投与により、末梢血では白血球数ばかりでなく、コロニー形成細胞数もday5、6をピークとして著明に増加した。特に200μg/m^2投与群における混合コロニー形成細胞の増加率は、100μg/m^2投与群と比較して有意に高かった。フローサイトメトリーによる解析では、CD34^+細胞数は著増し、中でもCD34^+/CD33^-細胞数、CD34^+/HLA-DR^-細胞数は200μg/m^2投与群において有意の増加を示した。以上より、rhG-CSFの投与により健常成人の末梢血中には多数の造血幹細胞/前駆細胞が動員され、特に200μg/m^2投与群では100μg/m^2投与群と比較してより多くの未分化な造血細胞が動員されると考えられた。この結果は、rhG-CSF投与により健常成人の末梢血より同種末梢血幹細胞移植に必要な造血幹細胞/前駆細胞が採取可能であることを示唆する。 2.骨髄及び末梢血中の造血幹細胞/前駆細胞における接着分子の発現 rhG-CSFを投与された健常成人の末梢血単核球中のCD34+細胞における接着分子の発現を骨髄CD34+細胞と比較してみると、VLA-4、VLA-5、ICAM-3、LFA-3、PECAM-1等の接着分子は骨髄、末梢血いずれにおいても大部分のCD34+細胞に発現されていたが、VLA-1、VLA-2、VLA-3、CD61、NCAM、CD80、PセレクチンはいずれのCD34+細胞においてもほとんど発現は認められなかった。HCAM、LFA-1、CD44は骨髄、末梢血中のCD34+細胞の一部に発現が認められたが、未分化な造血前駆細胞での発現は弱いと考えられた。CD11b、CD11c、ICAM-1、LFA-2は骨髄CD34+細胞ではほとんど発現していなかったが、末梢血CD34+細胞の一部には発現が認められた。以上の結果は、造血幹細胞/前駆細胞の末梢血への動員の機序を考える上で興味深い。
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Report
(1 results)
Research Products
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