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¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
1961年Williamsらにより報告されたWilliams症候群は,妖精様顔貌,精神発達遅延,心疾患(大動脈弁上狭窄,末梢肺動脈狭窄)などを特徴とし,染色体7番11q23にあるエラスチン遺伝子を含む辺縁遺伝子の欠失(モノソミ-)により生ずる.我々はWilliams症候群40例,大動脈弁上狭窄(SVAS)20例を対象として,Oncor社製WSCRプローブを用いてFISH法を行った結果,Williams症候群39例に染色体7番11.23の部分モノソミ-を認めたが,Williams症候群1例と大動脈弁上狭窄20例では欠失を認めなかった.本研究はWSCRプローブで染色体7番の部分欠失を認めなかった症例に関して,これらの特徴の形成に関与している責任遺伝子の1つとされているエラスチンの欠損範囲と表現型との比較検討を行うことにより,分子遺伝学的診断法を確立し,将来の遺伝子診断,遺伝子相談を役立てることを目的とした.まずWSCRプローブがエラスチンの全領域を含んでいないため,全領域を含んだプローブ,エラスチンの一部を含んだプローブの準備を行った.UCLAのKorenberg博士より2つのプローブ(1148G3:エラスチンを含む100Kb,363B4:エラスチンよりテロメア約100Kb)をもらいうけた.同時にエラスチン遺伝子の部分欠失の可能性を考え4つのプローブ(HEG1:1.5Kb,HEG2:2Kb,HEG3:2.2Kb,HEG4:7.0Kb)を作製した.これらのプローブを用いFISH法を行うことと,今まで発表された転座例でブレイクポイント部分を含むエクソン27,28の領域をPCR法で増幅しSSCP法で点変異の有無を確認することによりWilliams症候群とSVASの分子遺伝学的診断法を確立した.現在,WSCRプローブで染色体7番の部分欠失を認めなかった症例(Williams症候群1例,SVAS 20例)とその家族53名に関して確立した診断法にて検索を行っている.現在までのところでは,363B4,1148G3のプローブを用い7人にFISH法を施行しているが,これらのプローブでは欠失を認めていない.
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