抗体を用いるがんの画像診断と治療:アビジン・ビオチンによる新展開
Project/Area Number |
07670995
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Radiation science
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
阪原 晴海 京都大学, 医学研究科, 講師 (10187031)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | がん / モノクローナル抗体 / アビジン / ビオチン / 画像診断 / RI治療 |
Research Abstract |
がん関連抗原に対するモノクローナル抗体を用いるがんの画像診断と治療において、ビオチンとアビジンあるいはビオチンとストレプトアビジンの高い結合能を利用することにより、腫瘍に集積する放射能を減じることなく、正常組織に非特異的に残存する放射能を低下させ、放射能の腫瘍/非腫瘍比を高める方法を開発した。 I-125標識ビオチン化抗体をヒトがん移植ヌードマウスに投与し、標識ビオチン化抗体が十分腫瘍に集積した後、アビジンを静脈内に投与すると、アビジンは血中に存在する標識ビオチン化抗体と即座に結合し、結合体が肝臓に集積した。その結果、血中放射能が著しく低下し、一方腫瘍に集積した放射能は変わらないため、標識抗体投与後24時間の腫瘍/血液比は1.8から6.7に上昇した。他の正常臓器における放射能も著明に減少した。ストレプトアビジンにはこの効果はなかった。 一方、ビオチン化抗体を標識せずに担がんマウスに投与し、その後血中に残存するビオチン化抗体を減らすために同様のアビジン投与を行い、今度はI-125標識ストレプトアビジンを投与した。標識ストレプトアビジンは腫瘍に集積したビオチン化抗体と特異的に結合し、従来の標識抗体によって得られた放射能の腫瘍/血液比より高い腫瘍/血液比が得られた。 これらの方法は相対的な放射能の腫瘍集積性を上げるので、抗体を用いるがんの画像診断、内照射療法の臨床応用の実現性に大きく寄与しうる。また今回の検討ではビオチンに結合することにおいては同等のアビジンとストレプトアビジンの体内動態は著しく異なり、アビジンはビオチン化抗体を血中から除去することに有用であり、ストレプトアビジンは標識体として用いることができることが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)