「血管壁ナトリウム利尿ペプチド系」の臨床的意義に関する発生学的、分子生物学的研究
Project/Area Number |
07671131
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 裕 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (40252457)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | ノックアウトマウス / 遺伝子クローニング / アデノウィルス / 遺伝子導入 / 遺伝子治療 / 細胞増殖 / 血管平滑筋細胞 |
Research Abstract |
1)マウスCNP遺伝子クローニングとCNPノックアウトマウスの開発:BALB/cマウス遺伝子ライブラリー10^6クローンをラットCNPcDNAプローブを用いてスクリーニングした。これよりマウスCNP遺伝子を含む2.6kbのDNA断片のクローニングに成功した。マウスCNP遺伝子はともに少なくとも3つのエクソンと2つのイントロンから構成されていることが明らかとなった。マウスCNP遺伝子5′-隣接領域の近位部にはTATA box, cAMP応答因子様配列、SP1結合部(GC box)、逆向きCCAAT配列(Y box)が認められた。また、その上流に25回のCA反復配列(マイクロサテライト)が認められた。我々は既にTGF-β及びTNF-αにより内皮細胞におけるCNP遺伝子発現が著明に亢進することを報告してきたが、マウスCNP遺伝子の5′-隣接領域及び第1イントロンには各々TGF-β応答因子様配列、NF-κB結合部位が存在しその重要性が示唆された。PCR法による組換え近交系マウス間のマイクロサテライト多型の解析により、マウスCNP遺伝子は、Ren-1遺伝子と同じ第1染色体上のAcrgとInの間に存在することが明らかになった。更に、マウスCNP遺伝子の第1エクソンの部分をネオマイシン耐性遺伝子にて破壊し、HSV-TK遺伝子を連結したターゲッティングベクターを作製した。このターゲッティングベクターをマウス胚幹細胞(ES細胞)にエレクトロポレーション法にて導入し、ホジティブ・ネガティブ選択法にて組同組換え体を選択し、生殖キメラマウスの作製に成功した。現在、ホモ接合体(ノックアウトマウス)を開発中である。 2)アデノウィルスを用いたCNP遺伝子導入による血管平滑筋細胞増殖抑制の検討及び増殖性血管病変の遺伝子治療への応用:E1部分を除いたヒト5型アデノウィルスゲノムとCMVプロモーター及びヒトCNP cDNAを組み込んだシャトルベクターを293細胞内で相同組換えさせることにより、CNP遺伝子発現アデノウィルスベクター(Ad. CMV/CNP)の作成に成功した。ラット大動脈血管平滑筋細胞に対し、Ad. CMV/CNPを40moi(pfu/cell)となるように感染させた。細胞培養上清中のCNP濃度は、Ad. CMV/CNP感染群では122±44pmol/10^6 cellsであり、これは内皮細胞のCNP産生(32±5fmol/10^6 cells)の約4000倍であった。このAd. CMV/CNP感染群ではほぼ完全な増殖抑制効果が認められた。アデノウィルスベクターにより遺伝子導入されたCNPは血管平滑筋細胞に対してオートクリン、パラクリン因子として増殖抑制効果を発揮し、CNP遺伝子の過剰発現は増殖性血管病変に対する遺伝子治療に有用であることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(22 results)