Project/Area Number |
07671135
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山下 静也 大阪大学, 医学部, 助手 (60243242)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 秀一 大阪大学, 医学部, 助手 (30252646)
船橋 徹 大阪大学, 医学部, 助手 (60243234)
松沢 佑次 大阪大学, 医学部, 教授 (70116101)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Keywords | 活性化HDL / コレステロールエステル転送蛋白 / 肝性トリグリセリドリバーゼ / コレステロール逆転送系 / 動脈硬化症 |
Research Abstract |
高比重リポ蛋白(HDL)の動脈硬化防御作用は多数の疫学調査から明かであり、その機序としてHDLが血管壁細胞からコレステロールをくみ出して肝臓へ運んで処理するコレステロール逆転送系が存在する。私共はHDLのコレステロールエステルを他のリポ蛋白へ転送するコレステロールエステル転送蛋白(CETP)の欠損に起因する著明な高HDL血症患者より分離した大粒子HDLは、マクロファージからのコレステロール引き抜き能が欠損しており、患者血漿に精製CETPと肝性リパーゼ(HTGL)を添加するとHDLは縮小してリン脂質と蛋白に富む超高比重リポ蛋白(VHDL)粒子となり、マクロファージからのコレステロール引き抜き能の極めて強い粒子となることを見出した。私共はCETP欠損症の遺伝子異常が他地域の30倍もの高頻度に存在する地域を発見し、それらの欠損症例で動脈硬化が発症しやすいことを確認し、HDLの質的異常が動脈硬化発症に直接関与するという概念を確立した。コレステロール蓄積の場である血管壁において、CETPやHTGLの働きにより生成された小粒子HDLが動脈硬化進展防御に重要な役割を果たす可能性が推察される。本研究ではCETPとHTGLの作用により産生させた活性化HDLを静注するか、精製CETPとHTGLの静注またはCETP遺伝子及びHTGL遺伝子のin vivoでの過剰発現により活性化HDLを生成させ、動脈硬化進展防御・退縮を目的とした新たな治療法を開発することを目的とした。活性化HDLの精製のために用いるCETPはヒト血漿より、またHTGLはヘパリン静注後のヒト血漿より精製した。ヒト血清にVLDLまたはイントラリピッドを添加し、精製CETPおよびHTGLを添加して、LCAT阻害剤の存在下に37℃で孵置した後、HDL粒子を精製し、これを用いて培養マクロファージにおけるアセチルLDLによる細胞内コレステロール蓄積が著明に抑制されることを確認した。しかし、この方法ではin vitroで生成される活性化HDLの量がin vivo実験に使用できるほど十分ではなかったため、活性化HDLをin vivoで生成させる目的でrecombinant CETPおよHTGLの作製を行った。recombinant CETPの作製には成功したが、HTGLに関しては現在検討中である。今後、別のアプローチとしてヒトCETPおよびHTGL cDNAを組み込んだプラスミドを、HVJ-liposome法を用いて大動脈硬化を有するWHHLウサギに導入し、in vivoでの活性化HDLの産生効果と抗動脈作用について検討し、動脈硬化症に対する活性化HDLを介した分子治療法の基礎を確立したいと考えている。
|