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¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
本研究では,インスリン遺伝子の転写調節に関与する転写因子であるIPF-1およびcdx-3のヒトでの構造解析を行い,また,それらの遺伝子異常がインスリン非依存型糖尿病(NIDDM)の疾患感受性を決定する可能性について解析した.また,今後NIDDM発症遺伝子の解析を行うのに必要なgenetic materialとして,ともに糖尿病を有する同胞を同定し,そのDNAの収集を開始した. cDNAおよびゲノム遺伝子の解析では,ヒトIPF-1は283アミノ酸より成り,アミノ酸配列はマウスIPF-1とは83%の相同性を示した.特にホメオドメイン領域では,アミノ酸配列は両種間で完全に保存されていた.ヒトIPF-1ゲノム遺伝子は2個のエクソンで構成さた.現在までの解析では,ヒトcdx-3遺伝子は2-3個のエクソンで構成され,ヒトcdx-3のアミノ酸配列はハムスターの配列と高い相同性が認められた.IPF-1遺伝子およびcdx-3遺伝子内に,simple tandem repeatよりなる多形性マーカーを同定した.ヒトIPF-1遺伝子とcdx-3遺伝子の染色体局在をこれらの多形性マーカーを用いて,既知の染色体マーカーとのリンケージ解析により解析したところ,両遺伝子はともに第13番染色体長腕(13q12)に存在した.これら2つの遺伝子は,Two color FISH法にても分解できず,互いに非常に近接して存在することが示された.類似の機能を有する2つの遺伝子が染色体上で近接して存在することは両遺伝子の機能調節および進化を考える上で興味深い。 IPF-1は,その重要な機能領域であるホメオドメイン領域の変異を日本人NIDDM患者61人についてSSCP法により,また,cdx-3については,多形性マーカーを用いたpopulation association studyにより解析した.これらの解析からはヒトIPF-1遺伝子およびcdx-3遺伝子の異常が日本人のNIDDMの発症を規定する可能性は示唆されなかった. 今後NIDDM発症遺伝子の解析をさらに進めるために必要なgenetic materialとして,現在までに糖尿病を有する同胞約30組のDNAの収集した.さらに同胞に糖尿病を有するproband多数を同定しており,DNAの収集をすすめている.
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