Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
トレチノイン(ATRA)などよる急性前骨髄球性白血病(APL)細胞の分化誘導は造血細胞分化の研究に重要である。この研究材料としてAPLの細胞株が有用であるが、これまでに知られているt(15;17)を持つAPL細胞株はNB-4のみである。我々は新たにAPL細胞株(HT93)を樹立し、この細胞による分化誘導実験を行った。HT93は10%FCS添加RPMI1640にて培養し、ATRA10^<-6>M,G-CSF50ng/ml,GM-CSF10ng/ml,IL-320ng/ml,IL-520ng/mlなどを添加し経時的に観察した。未処理HT93細胞はPOX陽性顆粒を一部に持ち、NAP陰性、DC33,DC56,CD34陰性、HLA-DR,CD11b,CD11c、CD38,CD15,CD10陰性であった。ATRA単独添加培養2日でCD11c,CD38が出現し、5-8日でPOX陽性となり、好中球の形態を示した。G-CSFの併用では、5日でNAP陽性となり、トルイジンブルー異染性顆粒を一部に認めた。GM-CSFまたはIL-3の併用により、培養8日目に好酸球顆粒(Luxol-Fast blue+)が見られたが、IL-5併用では好酸球分化は認めなかった。PML-RARα遺伝子およびRARα遺伝子再構成を認めた。これらの成績より、HT93細胞株はPML-RARα遺伝子再構成を持ち、ATRA・CSF添加培養により好中球・好酸球・好塩基球に分化する細胞株で、APLに対するATRA療法に伴う分化の様式の解析に有用であるほか、顆粒球系血液細胞の文化におけるG-CSF,GM-CSFの造血因子の働きを理解する上で重要な役割を持つものと考えられる。
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