Project/Area Number |
07671194
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
西川 政勝 三重大学, 医学部・附属病院, 講師 (30144257)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | HL-60 / レチノイン酸 / 分化誘導 / 分化耐性株 / プロティン ホスファターゼ |
Research Abstract |
私どもは、HL-60細胞のレチノイン酸による顆粒球系細胞分化にはSer/Thrホスファターゼ2A型酵素のダウンレギュレーションが関与することを報告した。分化能を有するヒト白血病細胞株HL-60とレチノイド分化耐性変異株HL-60RA^rを用い、分化能欠如とSer/Thrホスファターゼの相互関係、及びHL-60RA^rを用いてレチノイン酸による分化能の再誘導を促進する薬物を検討した。 【結果】HL-60RA^r細胞の細胞質におけるSer/Thrホスファターゼ活性はHL-60細胞の約50%であり、オカダ酸による抑制試験により2A型ホスファターゼ活性が減少していることによることが明らかとなった。Western Blot法により、HL-60及びHL-60RA^r細胞の1型ホスファターゼの蛋白量は同程度であるが、HL-60RA^rの2A型ホスファターゼ蛋白はHL-60細胞より減少していることが確認された。HL-60細胞と異なり分化耐性株HL-60RA^rは2A型酵素が細胞質に少ないためレチノイン酸を加えても2A型ホスファターゼのダウンレギュレーションは観察されなかった。1型/2A型ホスファターゼ阻害剤カリクリンAやオカダ酸がレチノイド耐性株HL-60RA^rのレチノイン酸による分化誘導抵抗性を部分的に解除することが観察された。さらにHL-60RA^rに活性型ビタミンD_3を添加すると親株HL-60同様単球系細胞に分化誘導され、1型ホスファターゼはトランスロケーションすることが明らかとなった。 【考察】Ser/Thrホスファターゼ1型及び2A型は骨髄系血球細胞の分化・増殖の制御機構及び分化誘導耐性に深く関与していると考えられる。Ser/Thrホスファターゼ系と血球細胞の分化系列の関連性の詳細については更に継続研究が必要である。
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