血小板膜糖蛋白GPVIとコラーゲン刺激を介する刺激伝達機構の解析
Project/Area Number |
07671195
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高山 博史 京都大学, 医学研究科, 助手 (10197220)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 血小板 / GPVI / コラーゲン / 蛋白チロシンキナーゼ / サイクリックAMP |
Research Abstract |
1.抗GPVI-IgG抗体のFc部分を除いたF(ab′)_2-抗GPVIを血小板に加えると凝集と共に蛋白チロシン燐酸化反応(PTP)がみられた。これらはいずれも蛋白チロシンキナーゼ(PTK)の阻害剤であるチルホスチンにより阻害されたがCキナーゼの阻害剤では阻害されなかった。またGPVI欠損血小板ではこれらの反応は生じなかった。これらによりGPVIを介した血小板活性化は主にPTKに依存していることが明らかとなった。 2.血小板内cAMPを上昇させた条件においてもF(ab′)_2-抗GPVI刺激によるPTPは阻害を受けなかったが凝集は抑制された。同様な条件で活性化されるPTKを検索したところSykとSrcはcAMPに非感受性に活性化されるがFAKの活性化はcAMPの阻害を受けた。以上よりF(ab′)_2-抗GPVIによる血小板の活性化にはcAMPに非感受性のSykとSrcの活性化が関与していることが明らかになった。 3.cAMPに非感受性のSykとSrcの活性化はトロンビン刺激では認められなかったがコラーゲン刺激においても認められた。 4.F(ab′)_2-抗GPVI刺激またはコラーゲン刺激を受けた血小板ではホスホリパーゼC(PLC)-r1ではなくPLC-r2がcAMPに非感受性にチロシン燐酸化されることが明らかとなった。以上より、GPVIを介した刺激およびコラーゲン刺激に共通した現象としてcAMPに非感受性のSykとSrcの活性化やPLC-r2のチロシン燐酸化が生じることが明らかとなった。 5.GPVI欠損血小板にコラーゲン刺激を加えた時にSykの活性化は認められなかった。即ち、GPVIの刺激伝達系にはSykがより特異的に関与していることが明らかとなった。
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Report
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Research Products
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