先天性プラスミノゲン欠乏症の遺伝子異常、発症機構および病態生理に関する研究
Project/Area Number |
07671211
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
重清 俊雄 徳島大学, 医学部・附属病院, 講師 (50162582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金川 泰彦 徳島大学, 医学部・附属病院, 医員
東 博之 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (10241275)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | プラスミノゲン / 先天性血栓性素因 / 先天性プラスミノゲン欠乏症 / 遺伝子異常 / 発症機構 / 病態生理 |
Research Abstract |
(1)本研究では、先天性プラスミノゲン(PLG)欠乏症のC家系とN家系の遺伝子異常が明らかになった。polymerase chain reaction(PCR)法を用いて発端者のPLG遺伝子の19個のエクソンを増幅した後、M13ベクターにサブクローニングし、dideoxy法で塩基配列を決定した。その結果、PLG遺伝子のエクソン17にAla^<675>からThrへのアミノ酸置換を生じるコドンGCTからACTへの変異を約半数のクローンに認めた。このGからAへの変異により、この部位に新たにMae III(GTNACを認識する)の制限酵素部位が形成されることを利用して、C家系の各家系員のPCRフラグメントの切断解析を行った。その結果、PLG欠乏症の家系員にのみ、発端者と同様に正常対立遺伝子と変異対立遺伝子とを有するヘテロ接合体の切断パターンを認めた。さらにK家系について同酵素による切断解析を行ったところ、PLG欠乏症の発端者と弟にC家系と同一の切断パターンを認めた。このように、凝血学的検査所見と遺伝子解析の結果が一致したことから、C家系およびK家系のPLG欠乏症はエクソン17における点突然変異が原因であることが明らかにされた。 (2)先天性PLG欠乏症のN家系ですでに同定されているSer^<572>→Proへの変異により、PLG欠乏症が引き起こされる機序を遺伝子発現実験で解析した。PLGcDNA内にSer^<572>→Proへの変異を部位特異的変異誘発法で作製し、正常および変異PLGcDNAをpCDM_<neo>哺乳動物発現ベクターに挿入することにより発現プラスミド(pTH3/WT、pTH3/S572P)を構築した。pTH3/WTおよびpTH3/S572PをCOS-1細胞にトランスフェクトし、^<35>S-メチオニンでラベル後、抗PLG抗体を用いて免疫沈降法で検討した。その結果、組み換え正常および変異PLG(rWT、rS572P)はともに培養上清中に検出され、しかもその分子サイズはHepG2細胞から分泌されたそれと同じであった。さらに、培養上清中に分泌されるrS572Pの量はrWTのそれに比べて著しく少ないことも認められた。現在、rS572P分子の分泌不全の機序についてさらに詳細に検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
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