糸球体腎炎の進展と制御におけるアポトーシスの意義についての遺伝子レベルからの解明
Project/Area Number |
07671262
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Kidney internal medicine
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
吉村 吾志夫 昭和大学, 医学部, 助教授 (50211660)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 滋樹 昭和大学, 医学部, 助手 (00241026)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | アポトーシス / 糸球体腎炎 / Bcl-2 / Bax / clusterin / Le^Y抗原 / IgA腎症 / ループス腎炎 |
Research Abstract |
研究方法:腎炎におけるアポトーシス(AP)の関与の重要性を明らかにするため抗胸腺抗体誘発糸球体腎炎(抗Thy-1腎炎)を作成し、これににおけるAP関連分子のうちLe^Y抗原とBcl-2を免疫染色にて、clusterin mRNA発現をノーザンブロットにて検討した。さらにヒトの生検腎組織(IgA腎症21例、IV型ループス腎炎5例、微少変化型ネフローゼ6例,膜性腎症6例、起立性タンパク尿3例)においてBcl-2タンパクとともにBax mRNA発現をin situ hybridizationによって検討し、糸球体の細胞増殖(Ki-67陽性細胞数で判定)およびメサンギウム拡大程度との関連性についても検討した。 結果:抗Thy-1腎炎においては増殖期を中心にLe^Y抗原とBcl-2発現が認められた。 Clusterin mRNAは早期に浸潤したマクロファージと増殖後期の活性化メサンギウム細胞の消失時期に一致して2峰性の発現をみた。ヒトにおいてはIgA腎症とループス腎炎において他の疾患に比し、有意なBcl-2陽性細胞とBax mRNA陽性細胞の増加が認められた。IgA腎症においてはBcl-2陽性細胞数と糸球体内Ki-67陽性細胞数との有意な正の相関がみられた。Bax mRNA発現と糸球体細胞増殖との相関は認められなかったが、メサンギウム基質の拡大程度との間には相関がみられた。 結論:抗Thy-1腎炎ではその増殖および増殖細胞、浸潤細胞の消退過程においてAPの関与が重要であり、本モデルの進展、修復とAPとは密接な関連があると思われた。この事実はヒト腎炎においても認められた。すなわちBcl-2発現によるAPの回避は糸球体細胞増殖の持続に重要であり、Bax発現によるAPの誘導の増強は糸球体の基質拡大に関与していると考えられた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(7 results)