Project/Area Number |
07671345
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General surgery
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
鈴木 幸一郎 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (30122427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小濱 啓次 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30098610)
湊川 洋介 川崎医科大学, 医学部, 教授 (50094678)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Keywords | 熱傷 / 熱傷ショック / 心筋抑制物質 / トキシン |
Research Abstract |
重症熱傷においては、受傷後早期より心拍出量が減少し、それに伴い血圧低下や尿量減少などの循環異常が出現する。この心拍出量減少に伴う循環異常は熱傷ショックとも呼ばれ、我々はショック期の心拍出量減少の機序として心収縮性低下が関与することを報告してきた。1966年にBaxterは心筋抑制物質(MDF)が熱傷ショックの発症に関係するのではないかと予測したが、現在までのところMDFの同定は行われていない。そこで、本研究では熱傷直後から流血中に出現すると思われるMDF様の熱傷トキシンの分離・同定を試みた。実験計画に従い、モルモットを用いて実験を行ってきた。ペントバルビタールおよび笑気麻酔下に、特別に作った装置を用いてモルモット背部に約20%III度熱傷を作製し、1時間の輸液療法後血液を採取した。直ちに血清分離後、熱安定性を検討するため90℃、70℃にてそれぞれ1分間加熱処理した血清を準備した。また、分子量のおおよその目安を得るために透析も行ってきた。次に、bioasseyの準備を行った。モルモットを用いて、動脈圧と頸動脈血流量(超音波血流計)をモニターすることとした。現在までに約20匹のモルモットを用いて、顕微鏡手術下に無名動脈と総頚静脈へのカニュレーションを試みてきたが、術中死が多く安定したbioasseyには適していないのではないかと思われた。そこで現在、動物をモルモットから家兎に変更するべく準備を進めている。トキシンの同定に関しては、現在までの予備的検討から低分子量の物質ではないかと疑っており、逆相HPLC等を用いて分離、分取を行うべく準備を進めている。本研究は追加予算により採用されたが、研究の出足が遅れたため現在のところ十分な成果が得られていない。しかしこれまでの研究実績を踏まえて早急に安定したbioassey法を確立し、循環抑制を引き起こす熱傷トキシンの実体に迫りたいと考えている。
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