Project/Area Number |
07671569
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Orthopaedic surgery
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
後藤 澄雄 千葉大学, 医学部, 講師 (10143273)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田川 雅敏 千葉大学, 医学部, 講師 (20171572)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Keywords | 脊柱靱帯骨化症 / 成因 / 培養脊柱靱帯細胞 / BMP-2 / IGF-I / TGFβ1 / bFGF |
Research Abstract |
脊柱靱帯骨化症の成因を究明するにあたり、従来より我々は培養脊柱靱帯細胞を用い、細胞生物学的に検討を行ってきた。現在までに骨化症由来靱帯細胞(OL細胞)は、TGF-β1、BMP-2など細胞成長因子に対し、非骨化症由来靱帯細胞(NL細胞)とは異なる応答性を有することが明らかとなっているが、さらに各細胞成長因子の相互作用を解析するとともに、病理組織学的にも検討を加えた。 1.細胞生物学的検討 (1)OL細胞ではBMP-2(500ng/ml)単独添加によりALP活性の上昇がみられたが、IGF-I(500ng/ml)を同時に添加することで相乗的な上昇が認められ、bFGF(10ng/ml)の同時添加においては、その上昇が抑制された。したがって、脊柱靱帯細胞がBMP-2の分化誘導作用を受け骨形成系細胞へ分化する際には、IGF-Iは促進的に、bFGFは抑制的にBMP-2と相互に作用していく可能性が考えられた。 (2)NLおよびOL細胞は、IGF-I(1〜1000ng/ml)添加により細胞増殖能、細胞外基質合成能が亢進し、さらにOL細胞ではIGF-IとVit.D3(10^<-9>M)の同時添加でALP活性の上昇が認められた。 2.病理組織学的検討 手術時に採取したヒト頚椎後縦靱帯組織を用いて、各細胞成長因子およびその受容体の発現を免疫組織学的に検討した。 (1)後縦靱帯骨化症例(OPLL例)では、非骨化部の小血管周囲の靱帯細胞においてTGF-β陽性であり、この領域でTGF-βが骨化の発生・進展に重要な役割を果たしていることが推察された。 (2)OPLL例の靱帯骨化移行部および非骨化部靱帯組織において、bFGF、bFGF受容体の発現が非骨化症例に比べ強く認められ、骨化過程におけるbFGFの関与が示唆された。 以上より、脊柱靱帯の骨化過程においては、種々の因子が相互に関与しているものと考えられた。今後、分子生物学的手法も用いてさらに検討を進める予定である。
|