個体の最大骨量及び骨粗鬆症発症に対する癌遺伝子(c-fos)発現の影響
Project/Area Number |
07671584
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Orthopaedic surgery
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坪山 直生 京都大学, 医学研究科, 講師 (90261221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 昌則 京都大学, 胸部疾患研究所, 助教授 (00127135)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 老化促進モデルマウス / SAMP6 / 骨吸収 / 最大骨量 / 癌遺伝子 / c-fos / 副甲状腺ホルモン |
Research Abstract |
退行期骨粗鬆症モデルマウスSAMP6は生後4カ月で低い最大骨量をとったのち、月齢とともにゆっくりと一定の速度で減少していく。また、対照のSAMP2はより高い最大骨量を示す。最大骨量が形成されるまでの2ヵ月齢の雄マウス(n=4)にh-PTH(1-34)60オg/kgを皮下注射し、所定の時間ののちに腎臓、大腿骨および脛骨を採取し生理食塩水で骨と骨髄を分離した。Northern blotでc-fos mRNAの発現量を調べ、免疫染色によりc-Fos蛋白の局在についても検討を行った。 骨ではPTH投与によりc-fos mRNAの発現量は30分でピーク値をとり、その後SAMP2では速やかに減少するが、SAMP6ではゆっくり減少し遷延化する傾向にあり、1時間でSAMP2にくらべ有意に発現が高かった。骨髄では統計学上、有意な変化は認められず、SAMP6、SAMP2間にも有意な差は認められなかった。PTH受容体が存在する腎臓でのc-fosの発現についても検討したが、腎臓での発現は骨よりも低く、SAMP6の方が低い傾向にあった。したがって、骨でみられた現象は組織特異的と考えられる。c-Fosの免疫染色の結果、PTH投与3時間後のSAMP6の大腿骨で骨芽細胞、破骨細胞様細胞、一部の骨細胞にc-Fos蛋白を認めた。 対照としたSAMP2に比べ、低い最大骨量をもつSAMP6では、PTHによって骨に誘導されるc-fos mRNAの発現量の多い状態がピーク後にみられ、その発現の減少が遅延していた。骨のリモデリング、特に骨吸収においてc-fosが重要な役割を果たしているので、PTHによって誘発されたc-fosが間接的に破骨細胞系に長く作用し、破骨細胞の成熟化、活性化を促進し、骨吸収の亢進状態をひきおこすのではないかと考えられる。この骨吸収の亢進が最大骨量低下の一因となっている可能性がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)