Project/Area Number |
07671585
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Orthopaedic surgery
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
飯田 寛和 京都大学, 医学研究科, 講師 (60176047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 克時 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90170969)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 関節血腫 / 軟骨破壊 / プロテオグリカン / 膝関節 / ラット / 単核球 |
Research Abstract |
頻回の関節血腫が関節軟骨破壊を生じることは実験的に証明されており、臨床的には血友病性関節症でみられる。一方、従来から1回だけの関節血腫は関節軟骨に明らかな影響を及ぼさないとされていた。今回我々は関節血腫が引き起こす軟骨基質への影響を組織学的、生化学的に研究する目的でラット膝関節へ1回だけの自家血注入を行ったところ、関節軟骨プロテオグリカンの分解が生じることを観察したので、その分解機構について検討した。6週齢のWistarラット172匹を用い、麻酔下に尾動脈または心穿刺により自家血を採取し、組織学的研究には右膝関節へ0.1mlを直ちに注入し、左膝関節は対照とした。生化学的研究には0.2mlを両膝関節へ注入した。経時的に1、2、4、8時間後および1、2、3、4、7、14、28日後に各4匹づつ屠殺し組織学的に検討した。同じく経時的に各1匹の両膝関節の関節軟骨を採取し、軟骨プロテオグリカンを抽出し生化学的に分析した。その結果従来の報告と同じく組織学的には関節軟骨の変化は観察されなかったが、生化学的にはプロテオグリカンの分解が生じることが確認できた。アガロース電気泳動法での経時的変化で関節血腫の8時間後にプロテオグリカンの分解が生じ、組織学的にも多数の単核球が関節腔に集合した。精製したプロテオグリカンAID4分画の分析では1日後にヒアルロン酸結合領域の増加がみられ、7日後でも対照群より増加していた。さらに、抑制試験の結果と併せ、関節血腫におけるプロテオグリカンの分解には単核球が深く関与していることが示唆された。以上のように、1回だけの関節血腫は従来の定説と異なり、軟骨基質の主要構成成分であるプロテオグリカンに可逆的な変化をおよぼしていることがわかった。この研究は関節外科の臨床上きわめて重要で、関節血腫による軟骨の変化を明らかにし、軟骨破壊を抑制するための基礎研究として重要な意義を持つ。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)